1960年代に公開されたおすすめ名作映画

あの胸にもういちど

『ルパン三世』の峰不二子のモデルにもなったマリアンヌ・フェイスフル主演のカルト映画

『あの胸にもういちど』は1968年に公開された ジャック・カーディフ監督、マリアンヌ・フェイスフル主演の映画です。

結婚生活に飽き飽きしていたレベッカは愛人のダニエルから贈られたモーターバイクに乗ってダニエルの元へ向かっていきますがー。

衝撃的なラストとそれまでの女性のイメージを覆すような奔放なマリアンヌ・フェイスフル演じるのキャラクターとも相まってアメリカン・ニューシネマのような味わいを見せてくれます。

『あの胸にもう一度』はフランスの映画ではあるものの、アメリカン・ニューシネマと同じようなムーブメントがアメリカだけでなく、世界で巻き起こっていたことの証明でもあるでしょう。

レベッカの全裸にレザースーツというファッションは世界に多くの影響を与えました。に日本では『ルパン三世』の峰不二子がその代表と言えるでしょう。

肉弾

岡本喜八が描く、名もなき兵士にとっての戦争

『肉弾』は1968年に公開された、岡本喜八、寺田農主演の戦争映画です。

「あいつ」と呼ばれる末端の一兵士を主人公に、戦争の悲哀を描いた作品です。岡本喜八は前年に『日本のいちばん長い日』を撮っていますが、本来やりたかったのはこういう末端の兵士から見た戦争の映画でした。

今作は映画会社が資金を出さなかったため、監督の妻がプロデューサーとなり、制作資金をかき集めました。

岡本喜八監督は戦時中に空襲によって戦友を目の前で失った経験があり、それが戦争に対して大きな憤りを抱くきっかけとなりました。

今作『肉弾』では主人公はまさに名もなき一兵士で、彼の目を通して一般市民の純粋さと、軍部の非人間性が対比して描かれます。岡本喜八監督の戦争観が最もストレートに描かれている作品ではないでしょうか。

ちなみに主人公の「あいつ」を演じた寺田農は『天空の城ラピュタ』のムスカ役を演じたことでも知られています。

ティファニーで朝食を

映画史上最も有名なドレスを生み出したオードリー・ヘプバーンの代表作

『ティファニーで朝食を』は1961年に公開されたブレイク・エドワーズ監督、オードリー・ヘプバーン主演の恋愛映画です。原作はトルーマン・カポーティの同名小説。

ヘプバーンは今作でそれまでのイメージを覆す娼婦の役を演じています。もともとヘプバーンが演じたホリー役について、原作者のカポーティは当初マリリン・モンローを想定していました。

しかし映画の制作者はオードリー・ヘプバーンを想定していており、またモンローからもことわりの連絡があったため、ホリー役はヘプバーンが務めることになりました。

ホリーは娼婦として働き、また収監中のマフィアからの「天気予報」を弁護士に伝えることで報酬を得ていました。そんなポリーの暮らすアパートにポールという作家が引っ越してきます。裕福なマダムの愛人をしていたポールですが、ホリーとポールはお互いに惹かれ合っていきます。

今作でヘプバーンが着用したジバンシィの黒いドレスは「リトル・ブラック・ドレス」と呼ばれ、オードリー・ヘプバーンを象徴する代表的なアイコンの一つになりました。

気狂いピエロ

1960年代の名作!ゴダールが描く狂気のロードムービー

『気狂いピエロ』は1965年に公開されたジャン=リュック・ゴダール監督、アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド主演の映画です。

原作はライオネル・ホワイトの『obsession』。しかし、映画は全編ゴダールの演出によって完全なゴダール映画になっています。ストーリー性は希薄であり、ただ映像のコラージュや即興の美しさがきらびやかな作品。

1960年代の名作というよりも、稀代の映画監督、ジャン=リュック・ゴダールの代表作であり、世界的な名作と言ってもいいでしょう。

ゴダール、アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド、いずれも鬼籍に入ってしまいましたが、映画芸術はずっと残っていきます。

猿の惑星

猿と人間の立場が逆転した惑星の正体とは?

『猿の惑星』は1968年に公開されたフランクリン・J・シャフナー監督、チャールトン・ヘストン主演の映画です。

原作はフランスの小説家ピエール・ブールの同名小説です。

宇宙飛行士のテイラーらは航行中のトラブルによってある星に緊急着陸します。

しかし、その星は猿と人間の関係が逆転した、「猿の惑星」でした。

結末は原作小説とはまた全く異なるものですが、今は圧倒的に映画版のほうの結末が有名でしょう。

続編、リメイク版など数多くの関連映画が作られていることからも、本作のアイデアや設定がいかに秀逸であったかが分かります。

SF映画の金字塔とも言える、おすすめの映画です。

>CINEMA OVERDRIVE

CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。