AIが身近になり、AIをテーマにした映画も増えてきました。そんな中で今回紹介するのはAIとの戦いを描いたおすすめ映画。
実は最近のAIを描いた映画は、一概にAIを悪として描いていないんですよね。
それはなせかといえば、AIをどう活用していくかという部分が現実的になったからだと思います。もうAI=悪という時代は終わったということなのでしょう。
そんなわけで、今回紹介するAIとの戦いを描いたおすすめ映画も古い作品から近年の作品までバラエティ豊かに取り揃えました。
トランセンデンス
AIが人間を超える時、世界に何が起きるのか?
『トランセンデンス』は2014年に公開されたウォーリー・フィスター監督、ジョニー・デップ主演のSF映画です。
人工知能を研究しているキャスター夫妻。夫のウィル・キャスターは反テクノロジーを掲げるテロリストに狙撃されてしまいます。瀕死の夫を救うために、妻のデヴリンはウィルの意識を人工知能にアップロードします。当初は順調に見えたウィルの復活ですが、やがてウィルはネット上の膨大なデータを吸収し、やがて暴走を始めるようになります。
賛否両論ある本作ですが、ナノマシンの独特なヴィジュアルは一見の価値はあると思います。
個人的にはなぜ物語が進むにつれてテロリストが正義の味方のようになっていくのかがよくわからない作品でもあり、やはり脚本的には無理のある物語だと思ってもいます。ただ、先程も述べたようなナノマシンを描いたビジュアル、特殊効果の素晴らしさ、AIが身近になりつつある時代を描いた作品ということでおすすめに入れてみました。しかし、脳を人工知能にアップロードするってどういうこと?やはり脚本は無理がありますね(笑)。
マトリックス
プログラムとの戦いを描く、視覚効果も斬新なSF映画の金字塔
『マトリックス』は1999年に公開されたウォシャウスキー兄弟(現在は姉妹)監督、キアヌ・リーブス主演のSFアクション映画です。
大手プログラム会社に勤めるトーマス・アンダーソンは起きてもまだ夢を見ているかのような感覚に悩まされていました。彼は夜な夜な「ネオ」として違法なハッキング行為を行い、ある男を探しています。
その男、モーフィアスと出会ったネオはこの世界について、衝撃的な事実を知ることになります。
正に映像革命に恥じない作品で、その後の多くの映画に影響を与えました。
また、従来のような物理的な機械と戦うという設定ではなく、仮想現実の世界のプログラムと戦うという設定も、AIを敵にした映画のなかでも特に時代を先取りしていたなと思います。
こうした斬新な設定はもちろん、バレット・タイムと呼ばれる撮影技法を映画に取り入れ、画期的なアクションシーンを実現させています。
『マトリックス』はその後4本の続編が作られる人気シリーズとなりました。
個人的にも『マトリックス』はめちゃくちゃ大好きな作品です。今の時代であれば仮想現実空間は非常にありふれた概念でしたが、当時は斬新で、それ故に『マトリックス』を理解するためには予習が必要だとさえ言われていました(私も映画館へ観に行きましたが、もちろん予習して行きました)。
いまでこそ、珍しくなくなったバレット・タイムでの表現ですが、当時は最先端でしたね。ちょうど映画館で『マトリックス』を観た半年後くらいにビデオがリリースされたのですが、これもすぐ購入して1週間連続で毎晩観ていました。
本当に大好きな作品なんですよ。
ターミネーター
多くの映画に影響を与えた、人気シリーズの第一作目
『ターミネーター』は1984年に公開されたジェームズ・キャメロン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のSFアクション映画です。
人間と機械の戦争が繰り広げられる世界。そんな未来から殺人ロボットが人類の救世主の母親を抹殺するために送り込まれます。
未来からはもう一人、彼女を守るために人類側の兵士が送り込まれます。
1984年のロサンゼルスが、戦争の行方を決める最後の戦場になるのでした。
ジェームズ・キャメロンは監督デビュー作である『殺人魚フライング・キラー』の失敗から「ロボットが自分を殺しに来る」と言う悪夢を見たことがこの作品の着想のヒントになったと言います。
低予算ながらもその斬新なアイデアでヒット作となった『ターミネーター』。
多くの続編やリメイク、テレビドラマ化もされていますが、やはりこの一作目と1991年に公開された続編の『ターミネーター2』は別格と言えるでしょう。
特にこの『ターミネーター』は低予算のB級映画扱いとして作られているだけに、映画を本当に面白くするのは制作費ではなくて、アイデアやストーリーなどの部分が大きいのだと改めて思い知らされます。
個人的には『ターミネーター』の映画は小学校4年生くらいの時に知りました。やはり、ターミネーターの「機械の骨格を生体細胞で覆う」というアイデアには衝撃を受けましたね。
『ターミネーター』は数多くの映画に影響を与えているのは周知の事実ですが、意外なところでは『ゴジラvsキングギドラ』に登場するアンドロイドはどっからどう見ても『ターミネーター2』
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アイ、ロボット
アイザック・アシモフの原作を映画化。「ロボット三原則」に潜む危険性とは?
『アイ、ロボット』は2004年に公開されたアレックス・プロヤス監督、ウィル・スミス主演のSFアクション映画です。
アイザック・アシモフの短編作品『われはロボット』を原作にした作品です。
舞台は2035年のシカゴ。ロボットが一家に一台とも言えるほど広く行き渡った未来。ロボットには「ロボット三原則」がプログラムされており、ロボットが人間を傷つけるなどまずあり得ないことでした。
ロボット嫌いの刑事、デル・スプーナーは親交のあった博士が死亡したとの知らせを聞き、現場を訪れます。自殺にしては不自然な点の多いことを不審に思ったスプーナーはロボットの研究者であるカルヴィン博士とともに捜査を行います。スプーナーは犯人がロボットではないかと思い、独自に捜査を進めていきますが、意外な黒幕に辿り着きます。
この映画もリアルタイムで映画館で観ました。原作の要素はあまりない、オリジナルのストーリーなのですが、アクション・エンターテインメントとして面白く、かつロボットの倫理的なテーマにまで踏み込んだ内容の作品となっています。
エイリアン・コヴェナント
エイリアン誕生の秘密に迫る!『エイリアン』の前日譚
『エイリアン・コヴェナント』は2017年に公開されたリドリー・スコット監督、主演のSF映画です。
本作は 1979年に公開された『エイリアン』の前日譚にあたる物語で、かつ年に公開された『プロメテウス』の続編になります。
『プロメテウス』から11年後、宇宙船コヴェナント号の乗組員は人類が入植できる新しい惑星へ向かって航行していました。しかし、その最中、ニュートリノによる電磁波で宇宙船はダメージを受け、船長のブランソンが亡くなってしまいます。
残されたメンバーは悲観に暮れますが、当初の惑星より近くに入植に適した惑星があることを発見、ブランソンの妻でよダニエルは反対しますが、メンバーは急遽調査隊を編成し、その惑星へ向かいます。
しかし、その惑星にあったのはかつてプロメテウス号の乗組員であり、宇宙で消息を絶ったエリザベス・ショウ博士のドッグタグでした。
監督のリドリー・スコットはもはや自身の興味の対象がエイリアンではなく、AIにあることを名言しているように、今作で最も大きな役割を負っているのは、エイリアンではなく、アンドロイドのデイヴィッド。
彼が被支配者から支配者になるために何を行ったのか。エイリアン誕生の謎が明かされる、ファン必見の作品となっています。