エイリアンが登場するおすすめSF映画

今回は宇宙人(エイリアン)が登場する、おすすめのSF映画を紹介します。

今もなお地球外生命体が存在する可能性が発見されてはニュースになっていますが、エイリアンの脅威やまたエイリアンとの友好など、私達以外の宇宙にいる生命体はあらゆる創作に大いなるインスピレーションを与え続けているようです。

ちなみにエイリアンといえば宇宙人の意味していると思いがちですが、元々は外国人という意味合いの方が大きい言葉でした。エイリアン=宇宙人を連想するのは1979年に公開された『エイリアン』のヒットがあったから。

そんなわけで、今回はエイリアンが登場するおすすめ映画を紹介します!

エイリアン

鬼才リドリー・スコットとH・R・ギーガーが生み出したSFホラーの金字塔

『エイリアン』は1979年に公開されたSFホラー映画です。

監督はリドリー・スコット、主演はシガーニー・ウィーバーが努めています。

『スター・ウォーズ』で人気に火がついた宇宙ものの映画の勢いにのって製作された本作ですが、今ではSFホラーの金字塔として多くの作品に影響を与えています。

ノストロモ号の乗組員は救難信号を受信します。

何事もないかのように思われましたが、突如ケインが胸を押さえて苦しみ出します。

そして乗組員のメンバーの目の前でモンスター(チェストバスター)がケインの胸を食い破り、船内へと逃亡します。船の中で成長して生体となったエイリアンは一人また一人と乗組員を殺害していきます。

今やSFホラーの偉大な古典とも言える位置を築き上げています。

H・R・ギーガーのエイリアンのデザイン、終わったと見せかけて最後にもう一幕ある、戦うヒロインなど、この作品が後の映画に与えた影響は計り知れません。

プレデター

ただのモンスターではない、美学と知性を持ったエイリアン

『プレデター』は1987年に公開されたジョン・ マクティアナン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のSF映画です。

『プレデター』は『エイリアン』とならんで最も人気のあるモンスターではないかと思います。

『プレデター』が画期的なところは、高度な文明を持ちながらも、文化は野蛮だというそのギャップでしょうか。

また、武器を持たないものや病気をしているものは殺さないなどの美学を持ったキャラクターであったのも魅力のひとつかと思います。

中央アメリカのバル・ベルデへ要人の救出に向かったダッチ少佐とそのチームはそこで姿の見えない謎の生物に遭遇します。

それは現地の人に「暑い夏に現れる悪魔」として恐れられていた生物でした。

ダッチの部下たちは一人ずつそのモンスターに殺されていきます。

最後の生存者となったダッチはモンスターと一対一での戦いに挑みます。

今や多くの続編が作られる人気フランチャイズのひとつとなった『プレデター』シリーズですが、本作が第一作目になります。『プレデター』シリーズは全て観ていますが、武器もない状況でアイデアと力だけで立ち向かう、この第一作目の『プレデター』がやはり一番面白いかなと思います。おすすめの作品です。

宇宙戦争

SF古典をスピルバーグがリメイク!そこに込められた想いとは?

『宇宙戦争』は2005年に公開されたSFパニック映画です。監督はスティーヴン・スピルバーグ、主演はトム・クルーズが務めています。

H.G.ウェルズが1898年に発行した『宇宙戦争』の実写映画になります。

港湾労働者のレイは別れた妻との間の子供たちを預かることに。

しかしその夜、町にはいくつもの雷が落ち、そして翌朝地面の中からいくつもの巨大なトライポッドが出現。

人間たちを一瞬で殺戮していきます。

エンターテインメント全開な作風ではなく、どちらかといえばどうトライポッドから逃げるのかが主眼になった作品です。公開当時に映画館で観ましたが、あっけない結末に驚いた記憶があります。しかし、時間を経つごとに、スピルバーグが今作を通して伝えたいメッセージに気づき、それからは好きな映画になっています。

スピルバーグが伝えたかったものは9.11の衝撃です。それがアメリカにとってどれ程の脅威だったのか、それを『宇宙戦争』という形で映画のなかに留めておきたかったのでしょう。

また、今作ではいつもイケイケのアクション・スターのトム・クルーズが一転してブルーカラーの労働者という役柄を演じています。実の子供とうまくやれないダメ男が宇宙人の襲来の中で子供と心を通い合わせ、成長していく物語でもあります。

第9地区

社会派SF映画。2000年代を代表する名作

『第9地区』は2009年に公開されたニール・ブロムカンプ監督、 シャールト・コプリー主演のSF映画。

宇宙人が難民として地球に辿り着いたのちの宇宙人と地球人の交流と軋轢を描いています。

SF映画の体裁をとりながらも実際はアパルトヘイトをモチーフにした社会的な作品という側面も強いです。

超国家機関МNUで宇宙人の強制移住を担当するヴィカスは宇宙人を見下し、高圧的に住居の移動を命じます。ある家に侵入したヴィカスはそこで不注意にある液体を浴びてしまいます。

その事をきっかけに体が徐々にエイリアンと化していくヴィカス。

その事を知ったМNUはヴィカスを研究材料として捕らえ、生体実験に用いようとしていました。ヴィカスはМNUを脱走し、第9地区へ逃げ込みますが、そこを縄張りにするギャングもまたヴィカスを狙っていました。

他のエイリアン映画とは一線を画す、社会的なメッセージは斬新なもので、エイリアンが登場する映画の中では名作と言っていいのではないでしょうか。

公開直後から今に至るまで、長く続編が待たれている作品でもあります。

メッセージ

その言葉に込められた本当のメッセージとは?

『メッセージ』は2016年に公開されたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、エミリー・プラント主演のSF映画です。原作はテッド・チャンの『あなたの人生の物語』。

ある日、世界各地に謎の宇宙船が襲来。アメリカ陸軍大佐のウェバー、物理学者のイアン、そして言語学者のルイーズは彼らの襲来の目的を探ります。

ルイーズは彼らが墨で吹き付けたような文字の解読に挑みますが、その文字を知るに連れて、彼らが時間を超越した存在であることに気づきます。

『未知との遭遇』に代表されるような、いわゆる「宇宙人とのファースト・コンタクト」ものの作品ですが、その内容としては時間とは何か、運命を受け入れるかどうかという非常に硬質で哲学的な大人向けの作品に仕上がっています。

多くの賞を受賞・ノミネートしていることからもわかるように、非常にチミツに練られた脚本と斬新な設定は単なるSF映画と呼ぶには留まらない完成度の作品と言えます。おすすめの映画です。

メン・イン・ブラック

黒づくめの男の都市伝説をコメディとして映画化!

『メン・イン・ブラック』は1997年に公開された、バリー・ソネンフィルド監督、トミーリージョーンズ、ウィル・スミス主演のSF映画です。

タイトルの『メン・イン・ブラック』とはアメリカの都市伝説である「UFOやエイリアンを目撃した時に訪れる黒づくめの男」のこと。

ニューヨーク市警のジェームズ・エドワーズは逃走する犯人をビルの屋上まで追い詰めます。しかし、その男はまぶたを横方向にまばたきさせ、「世界の破滅が来る」と言ってそのまま屋上から飛び降りてしまいます。

検死官のローレルは男の遺体を調べ、その正体が宇宙人ではないかと推測しますが、直後に現れた黒づくめのスーツの男に赤い光を浴びせられてしまいます。スーツの男はジェームズに自分の名前を「K」と紹介し、ある場所に来るように伝えます。

訳もわからずにテストを受けるジェームズでしたが、Kからの後押しもあり、地球に入国しているエイリアンを監視する「メン・イン・ブラック」に採用されます。

最初は宇宙人の存在を信じていなかったジェームズでしたが、「メン・イン・ブラック」で実際に宇宙人を目の当たりにして信じるようになります。

都市伝説をモチーフにしていますが、全的にはコメディ・アクション映画と呼べるエンターテインメント作品に仕上がっています。

今作のヒットにより、当時経営不振に陥っていたソニー・ピクチャーズが立ち直ったという逸話もあります。

その後、スピンオフも含めると3本の続編が作られる人気シリーズになっています。

インデペンデンス・デイ

人類の独立記念日!ローランド・エメリッヒの代表作

『インデペンデンス・デイ』は1996年に公開されたローランド・エメリッヒ監督、ウィル・スミス主演のSF映画です。

タイトルにもあるインデペンデンス・デイとはアメリカ合衆国の独立記念日のこと。

地球の各地に現れた宇宙船。人々の中には当初、初めての宇宙人の来訪を歓迎する者もいましたが、宇宙人たちは地球を乗っ取ることが目的で、一斉に人類に対し攻撃を開始します。

残った人々は7月4日、これが新しい「独立記念日」として生存をかけて宇宙人との戦いに挑みます。

作品の内容は荒唐無稽で大味な部分もあるのですが(逆にそれがローランド・エメリッヒらしい部分でもありますが)、エンターテインメント作品としての娯楽性はピカイチでずば抜けています。

スターシップ・トゥルーパーズ

人体破壊が目白押し!ヴァーホーヴェンは止まらない!

『スターシップ・トゥルーパーズ』は1997年に公開されたポール・ヴァーホーヴェン監督、主演はキャスパー・ヴァン・ディーンが務めています。

原作はロバート・ハインラインの小説『宇宙の戦士』。もともと軍隊の出身でもあったハインラインは小説の中でも軍隊を肯定的に書いていますが、ポール・ヴァーホーヴェンは逆に軍隊を過度に賛美的に描くことで、軍隊肯定を皮肉るような映画に仕上げました。

人類が皆平等になった近未来。そのころ世界は地球連邦が束ねていましたが、植民地を開拓する過程で昆虫型宇宙生物のアラクニド・バグズの縄張りに侵入してしまったことから戦争が勃発。戦争状態に突入していました。

地球連邦では軍歴の有無だけが人々を「一般人」と「市民」に分けていました。

裕福な家庭の高校生、ジョニー・リコは恋人のカルメン・イバネスが宇宙艦隊のパイロットに応募することから自らも両親の反対を押しきって軍へ入ることを希望します。

しかし、勉強がダメなリコが入れたのは最も過酷な歩兵部隊。

歩兵の訓練中に誤った指示で同僚を死なせてしまったリコは軍隊生活を諦めて故郷へ帰ろうとします。そんなときにニュースで敵の攻撃によって故郷のブエノスアイレスが壊滅状態に陥ったことを知るのでした。

両親を失ったリコは除隊を撤回し、歩兵部隊として敵との戦闘に乗り出していきます。

軍隊を賛美する内容だったハインラインの原作を、ポール・ヴァーホーヴェンはとことん皮肉った作品に仕上げてみせました。ヴァーホーヴェンらしい残酷シーンは今作で頂点を極めたといっていいでしょう。

スピーシーズ 種の起源

思春期男子を悶々とさせた「最も美しいエイリアン」

最後は「最も美しいエイリアン」と呼ばれたこちらの作品を紹介しましょう。

『スピーシーズ 種の起源』は1995年に公開された、ロジャー・ドナルドソン監督、ナターシャ・ヘンストリッジ主演のSFホラー映画。

エイリアンの造形はかのH・R・ギーガーで、筋書きもしっかりしたものであるのですが、それ以上にナターシャ・ヘンストリッジの美しさは群を抜いており、今作におけるシルは「最も美しいエイリアン」とすら称されました。

日曜洋画劇場で数年に一度は必ず放送されていた作品ですが、作中にはナターシャ・ヘンストリッジのヌードシーンもふんだんにあり、どれほど多くの思春期の男子を悶々とさせたのか、と思います。

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CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。