今回は戦う女性が主人公のおすすめ映画を紹介します。
最近でこそあらゆるジャンルの作品で女性が主人公の映画は増えていますが、昔から特にホラー系は女性を主人公にした映画の割合が多かったと思います。
今回はホラー系の作品も一部にあるものの、全体的にはアクション映画を多く選んでみました。
ターミネーター
シュワルツェネッガーのブレイク作。アイデアが光る作品
『ターネミーター』は1984年に公開されたジェームズ・キャメロン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のSFアクション映画。
核戦争で荒廃した未来世界で繰り広げられる機械のスカイネットと人間の戦争。
人類側のリーダーであるジョン・コナーの出現を阻止するために、スカイネットはタイムマシンでターネミーターを1984年のロサンゼルスに送り込みます。
その目的はジョン・コナーの母親のサラ・コナーを殺し、ジョンが生まれてこないようにするためでした。
ターミネーターからの必死の追撃から逃げる中で、サラは徐々に守られる女性から自らも戦う女性へと成長していきます。
この戦う女性としての性格が完成したのは第2作目の『ターミネーター2』からだと思います。
バトル・ヒロインの代表格として今なお多くの人が思い浮かべるのはこの『ターミネーター』シリーズのサラ・コナーではないでしょうか。鍛え抜かれた肉体と戦闘の最前線に立ち、息子を守り抜く母性。
最新作『ターミネーター ニューフェイト』でもそのタフネスぶりは健在。
今も変わらぬバトル・ヒロインの金字塔であることを見せてくれています。
エイリアン
バトル・ヒロインの代表作にしてSFホラーの古典
『エイリアン』は1979年に公開されたリドリー・スコット監督、シガニー・ウィーバー主演のSFホラー映画です。
ノストロモ号はの途中で救難信号を受信、その惑星に立ち寄ることに。
しかし、その惑星には誰もおらず、異性人の遺跡と思わしきものがあるだけでした。
『スターウォーズ』のヒットを受けて、宇宙を舞台にしたSF映画が各映画迎車で企画されました。そんな中、FOXの社内にあった唯一の作品が『エイリアン』だったのです。
そんな『エイリアン』は様々な意味で今日の映画に大きな影響を残す作品となりました。
それは、終わったと見せかけて実は終わっていないストーリーの展開であったり、戦う女性が主人公というところもそうだと思います。
『悪魔のいけにえ』や『13日の金曜日』など、最後まで生き残り、殺人鬼と戦うのは女性というのはホラー映画には珍しいことではありませんでした。『エイリアン』もまたホラー映画のそういった流れを汲んだ作品だと言えます。
シガーニー・ウィーバー演じるエレン・リプリーはそんなバトル・ヒロインをホラーに留まらない、幅広い映画ジャンルに広めたキャラクターとも言えるでしょう。
例えばさきほど紹介した『ターミネーター』も『エイリアン』の影響を受けた映画の一つかもしれません。
『ターミネーター』も終わったと思ったらさらにターミネーターが追ってくる展開なので、少なからず『エイリアン』からの影響はあったのではないでしょうか。
ちなみに『ターミネーター』監督のジェームズ・キャメロンはその後に『エイリアン2』の監督を務めました。
バイオハザード
日本のゲームを原作にした、2000年代のバトル・ヒロインの筆頭作品
『バイオハザード』は2002年に公開された ポール・W・S・アンダーソン監督、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のホラーアクション映画。
日本のゲームソフト『バイオハザード』をハリウッドで実写化した作品です。
主演のミラ・ジョヴォヴィッチはもともと原作となるゲームのファンだったことからこの作品の出演を熱望していたとのこと。ミラ・ジョヴォヴィッチが今作で演じたアリスは『バイオハザード: ザ・ファイナル』まで13年間に亘って演じ続けたキャラクターでミラ・ジョヴォヴィッチにとっても代表作とも言えるのではないでしょうか?
監督のポール・W・S・アンダーソンは2003年、公開当時のインタビューの中でまだまだ女性を主役にしたアクション映画が少ないことに言及しています。
しかし、『バイオ・ハザード』はそのシリーズを通して2000年代のバトルヒロインの代表となったのではないでしょうか。
アリータ バトルエンジェル
日本の漫画をハリウッドで映画化
『アリータ バトルエンジェル』は2019年に公開されたSFアクション映画。
木城ゆきとの漫画『銃夢』を原作に、ジェームズ・キャメロン製作、ロバート・ロドリゲスが監督を務めています。主演はローサ・サラザール。
没落戦争から300年後の世界。地球は一部の選ばれし者だけが住める天空都市ザレムと、そのザレムからのゴミで暮らす地上のスクラップシティに二極化していました。かつてザレムの住人であったイドはスクラップの中からある少女のサイボーグを見つけ出します。
イドは彼女を自宅に持ち帰り、再生することにします。目覚めた彼女は以前の記憶をすべて失っていました。イドは彼女を自分のかつての娘の名前から「アリータ」と名付けます。
アリータはある時イドの不審な行動を目撃、彼のあとを尾行します。イドのもうひとつの顔は賞金稼ぎとして犯罪者達を倒すことでした。しかし、アリータがイドを尾行したその日はイドの形勢が不利に。アリータはイドを守るために犯罪者のサイボーグたちと戦います。その中でかつて戦士であった自分の記憶が甦ってくるのでした。
クセは強いものの、グロテスクな描写や斬新なアクションに魅力のあるロバート・ロドリゲス。
今作ではプロデューサーとしてジェームズ・キャメロンが加わっていることもあり、ロドリゲス独特のクセがかなり中和されているようにも感じます(アリータの住んでいる地域はメキシコらしさを感じさせており、ロドリゲスらしさももちんあります)。
作品自体のヒットは微妙なところですが、一方で熱狂的なファンも生み出しており、続編の制作を望む声も多く寄せられている作品です。
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY
マーゴット・ロビーの魅力が全開な痛快作
『 ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は2020年に公開されたスーパーヒーロー映画。監督は主演はマーゴット・ロビーが務めています。
ハーレイ・クインがジョーカーと別れたその後を描いたスピンオフ的な作品なのですが、女性のパワーを感じさせてくれる作品とも言えますね。
ハーレイ・クインというアンチヒーローを主役にしてはいるものの、人種差別に配慮したキャスティングなど、最大限に時代の空気を読んだ優等生的な作りの映画でもあります。
まぁマーゴット・ロビーが楽しそうにハーレイ・クインを演じているだけでもこちらも幸せな気持ちになってきます。
そういった意味では軽い気持ちで楽しめるエンターテインメント作品だと思います。
キック・アス
非力なオタク高校生がスーパーヒーローに変身!?
『キック・アス』は2010年に公開されたマシュー・ヴォーン監督、アーロン・テイラー=ジョンソン主演のスーパーヒーロー映画です。
アーロン・テイラー=ジョンソン演じるヒーローに憧れる冴えないオタク高校生のデイヴは、「なぜみんなヒーローにならないのだろう?」という疑問に行き着きます。通販でコスチュームを取り寄せたデイヴは、「キック・アス」と名乗り、ヒーローとしての活動を始めるのですが、何の戦闘訓練もしていないデイヴは逆に不良たちにボコボコにされてしまい・・・。
主役はあくまでアーロン・テイラー・ジョンソンなのですが、それ以上に強い印象を残すのがクロエ・グレース・モレッツ演じるヒットガールではないでしょうか?
窮地に陥ったキック・アス(=デイブ)の前に現れ、あっという間に敵を皆殺しにしてしまった少女。それがヒットガールでした。
クロエ・グレース・モレッツのブレイクのきっかけとなったこのヒットガールですが、小学生ながらもその汚すぎる言葉遣いと容赦なく敵を虐殺する様は衝撃的なインパクトと賛否両論を生み出しました。
『キック・アス』のポスターを見てもらうとわかるんですが、主役はアーロン・テイラー=ジョンソン演じるキック・アスなのに、ヒットガールが真ん中にいますよね。
いかにヒットガールが重要なキャラクターなのかがこういう所からも垣間見れるような気がします。
ドゥームズデイ
カルトの要素が満載の他に例を見ない映画
『ドゥームズデイ』は2008年に公開されたニール・マーシャル監督、ローナ・ミトラ主演のSFアクション映画です。
2008年、スコットランドは殺人ウイルスにより城壁によって封鎖されました。しかし27年後に同じウイルスがロンドンでも流行してしまいます。そんな中、封鎖されたはずのスコットランドにに生存者がいるとの情報がもたらされます。兵士のエデン・シンクレアをリーダーとする調査チームを送り込みます。彼らが見たのは文明が崩壊し、暴徒と化した人間の支配する世界でした。
ゴア表現やカリバニズムなど、グロテスクな描写と彼らのアッパーなテンションで、他に例がなく、カルト映画としての要素も持ち合わせています。
ローナ・ミトラが演じた主人公のエデン・シンクレアもまたバトル・ヒロインのイメージそのままに、タフで美しい女性となっています。
今回、バトルヒロイン映画のおすすめということで選出しましたが、それを除いても唯一無二の個性を誇る映画です。
プラネット・テラー in グラインドハウス
ロドリゲス節炸裂!義足の代わりにマシンガン!?
『プラネット・テラー in グラインドハウス』は2007年に公開されたロバート・ロドリゲス監督、ローズ・マッゴーワン主演のホラーアクション映画です。
ゴーゴーダンサーのチェリー・ダーリンは帰り道にゾンビに襲われ、片足を食いちぎられます。病院にかつぎ込まれたチェリー・ダーリンですが、その病院でもまたゾンビに襲われ、片足をマシンガンに入れ替えてゾンビの大群に向かっていきます。バトル・ヒロイン映画の中でもかなりカルトな雰囲気のある作品ですね。
ロバート・ロドリゲスらしいブラックなギャグシーンもあり、またグロテスクかつスプラッターな人体破壊描写、バカバカしい小道具など、ロバート・ロドリゲスの世界はここでも健在です。
ロドリゲスもまた個性の強い映画監督の一人で、どの監督作品もロドリゲスの個性がにじみ出ているのですが、特にこの作品はそのロドリゲスの個性が強く反映されているようにも思います。
決してメジャーな映画でも、飛びぬけた面白さのある作品でもなく、万人におすすめと言える作品ではないですが、唯一無二の個性とインパクトで大好きな作品です。
ワンダーウーマン
アメコミ映画の枠を超えて時代を撃ち抜いた作品
『ワンダーウーマン』は2017年に公開されたパティ・ジェンキンス監督、ガル・ガドット主演のスーパーヒーロー映画です。
パティ・ジェンキンスにとっては『モンスター』以来14年ぶりとなる監督作となりましたが、『ワンダーウーマン』はスーパーヒーロー映画の枠を超えて絶賛される作品となりました。
原作はDCコミックスの同名作品です。原作の『ワンダーウーマン』の発刊は年と古いのですが、原作も映画も同じ「女性の解放」がひとつのテーマにもなっています。
図らずも性差別が社会問題として再度注目されるようになってきた昨今において、『ワンダーウーマン』が掲げたテーマは実に時代を撃ち抜いたものになっていたのではないでしょうか。
オーシャンズ8
大ヒット作を女性キャストでリメイク
『オーシャンズ8』は2018年に公開されたゲイリー・ロス監督、サンドラ・ブロック主演の犯罪映画。
2001年に公開された『オーシャンズ11』シリーズのスピンオフに当たる作品です。
今回の主人公はダニー・オーシャンの妹であるデビー・オーシャン。
彼女の出所の場面から映画は始まります。二度と犯罪をせず、普通の生活を送りたいと語ったデビーですが、彼女には既に一つの大きな犯罪計画がありました。
昨今の社会情勢もあるのか、主人公のチームは全員女性。
女性の強さ・カッコよさを十分に見せつけた作品でした。
キル・ビル
随所にタランティーノの映画愛を感じる復讐劇
『キル・ビル』は2004年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督、ユマ・サーマン主演のアクション映画です。
自分と生まれてくる子供の人生を奪った組織のボスに復讐を誓った殺し屋、ザ・ブライドの物語です。
『キル・ビル』でのブライドの対戦相手の中でもメインとなるキャラクターはオーレン・イシイや栗山千明演じるゴーゴー夕張と比較的女性が多く、そういった所からも敵味方問わず、バトルヒロインがかっこいい映画だと言えそうです。