おすすめカルト映画

今回はおすすめのカルト映画を紹介していきます。

カルト映画とは広く一般に受け入れられなくても、少数の熱狂的なファンによって支持される映画のこと。それだけに他とはどこか違ういびつな魅力に溢れた作品が多いです。では早速、おすすめのカルト映画を紹介していきましょう!

プラン9・フロム・アウタースペース

「史上最低の映画監督」が作り上げた底抜けカルト映画

『プラン9・フロム・アウタースペース』1959年に公開されたエド・ウッド監督のSFホラー映画。

エド・ウッドは史上最低の映画監督として有名な人物ですが、それは何と言っても作った映画がどれもあまりにつまらないから。

そのことが逆に話題となり、没後に数多くのファンを生み出しました。映画人にもエド・ウッドのファンは多く、サム・ライミやティム・バートン、クエンティン・タランティーノもその一人。中でもティム・バートンは自身でエド・ウッドの半生を描いた作品を作り上げてしまうほど。

その映画の中でのハイライトはこの『プラン9・フロム・アウタースペース』を作り上げ、プレミアにこぎつける場面でしょう。エド・ウッド自身、本作は最高傑作と信じて疑わなかったそう。

辻褄の合わない演出や意味不明の脚本、陳腐なセットなど映画の出来は悪いのですが、この映画が今もカルト映画として多くの人を惹きつけているのは、目には映らない、エド・ウッドの映画への情熱をどこかに感じるからではないかなと思っています。

個人的にも観ましたが、評判ほど悪くは感じなかったです。

時計じかけのオレンジ

キューブリックの描く暴力と近未来の圧倒的な映像センス

『時計じかけのオレンジ』は1971年に公開されたスタンリー・キューブリック監督、マルコム・マクダウェル主演の映画です。

全体主義国家となった近未来のイギリスを舞台に無軌道な暴力に明け暮れる少年たちを描いた作品。

ロンドンに住む15歳の少年、アレックスは仲間達と日々暴力と犯罪行為に明け暮れていました。ホームレスを暴行し、また作家の家に押し入っては彼の妻を暴行しました。

ある日、強盗に出掛けたアレックスとその仲間たちは金持ちの老婦人を撲殺。しかし、仲間から裏切られ、アレックスだけが警察に逮捕されてしまいます。

暴力で暴力を風刺するというストーリーはもちろんのこと、その斬新な世界観は今なお新しいファンを獲得しつづけています。

いわゆる「カルト映画」とも呼べる作品でもあるのですが、マニアックでもあり、メジャーでもあり、また古いけれど新しいなど、相反する魅力を多く備えた唯一無二の作品だと思います。

ブレードランナー

リドリー・スコットが圧倒的な映像描写で描くSF映画の金字塔

『ブレードランナー』は1982年に公開されたSF映画です。監督はリドリー・スコット、主演はハリソン・フォードが務めています。原作はフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

酸性雨の降り注ぐ未来のロサンゼルスを舞台に、脱走したレプリカントを追う任務を負った捜査官のデッカードとレプリカントたちとの攻防を描きます。

悪魔のいけにえ

多くの国で上映禁止になったカルト・ホラー映画

『悪魔のいけにえ』は1973年に公開されたトビー・フーパー監督、マリリン・バーンズ主演のホラー映画です。

今作に登場するシリアルキラーは通称レザーフェイスと呼ばれるババ・ソーヤーとその家族たちです。

テキサスを訪れた若者5人に襲いかかる恐怖を描いています。

舞台は1972年のテキサス。墓荒らしが頻出しているというニュースをきいて、サリー・ホーキンスとその兄は友人らとともにテキサスの祖父の墓の無事を確かめに来ていました。

墓は無事でしたが、車のガソリンが尽きてしまい、ガソリンを分けてもらおうと古びた洋館に立ち寄ったことから恐怖が始まります。

洋館の主は訪れた若者を殺し、食していたソーヤー一家の棲み家でした。

人の皮を被った殺人鬼、レザーフェイスに一人また一人とチェーンソーで惨殺されていきます。

独特の雰囲気、チープさ、怖さ、全てが完璧なバランスで成り立った奇跡のようなホラー映画だと思います。

テキサスの田舎に住む、狂人一家という設定ですが、これはまさに現代のフォークロア。

都市伝説的な「本当に存在するかもしれない」恐怖もうまく取り入れられています。映画史に輝く名作ホラー映画です。

ファイト・クラブ

世界中に「ファイト・クラブ」を生んだカルト映画

『ファイト・クラブ』は1999年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット主演のドラマ映画。

今や「ファイト・クラブ」という言葉は映画を超えて独り歩きし、数え切れないほど様々な格闘技系の番組やイベントのタイトルに用いられています。

ただ、この映画がカルト的な人気を得たのは、資本主義を叩き壊し、男としての価値を再定義していくその露骨なまでのマッチョイズムにあったのではないでしょうか。ブラッド・ピット演じるタイラー・ダーデンはその体現者でもあり、現実世界でも実際に多くの「ファイト・クラブ」が設立されたと言います。

それほどの強い影響力を持った映画はあまりありません。ぜひその危うい魅力を確かめてほしいと思います。

ロボコップ

ヴァーホーヴェン節の光るSF映画

『ロボコップ』は1987年に公開されたSFアクション映画です。監督はポール・ヴァーホーヴェン。主演はピーター・ウェラーが務めています。

当時、自動車産業が没落し、犯罪率の高かった街、デトロイトを近未来の犯罪都市として物語の舞台にしています。

そこではマフィアであるクレメンス一味によって警察官の殉職が絶えることなく続いていました。警察の親会社でもあるオムニ社によって、殉死しかけていた警官、マーフィーをロボット(ロボコップ)として蘇らせます。

当初は人間の時の記憶を抹消され、命令に忠実なロボットであったロボコップですが、次第に人間としての記憶が戻ってきます。

『ロボコップ』はポール・ヴァーホーヴェン監督の映画の中でも特に高い人気を誇る作品のひとつ。

それはSF映画、アクション映画としてのツボを押さえつつも、ヴァーホーヴェンならではの残酷描写も健在だから。

僕が子供のときに、子供向け雑誌で特集されるような、本当にわかりやすい面白さもある一方で、トラウマになりかねないような残酷描写にも果敢に挑戦しています。

『ロボコップ』はカルト的な人気を得て、その後も続編やリメイクなどのシリーズが複数製作されています。

ある日どこかで

今なお高い人気を誇る、SF恋愛映画

『ある日どこかで』は1980年に公開された ヤノット・シュワルツ監督クリストファー・リーヴ主演のSF恋愛映画です。原作は数多くのSF小説で知られるリチャード・マシスン。

脚本家として活躍するリチャード・コリアー。仕事の休息にと立ち寄ったホテルで彼はが肖像画の女性に心奪われてしまいます。彼女が1912年に活躍した女優のエリーズ・マッケナだと知ったコリアーは師事していた教授の助けを借りて彼女の暮らす1912年へタイムスリップします。コリアーは彼女と愛し合い、ともに生きていこうとしますが・・・・。

タイムスリップのルールは今の時代のものを捨てて、行きたい時代のものだけ身につけて催眠術をかけること。

ですが、1912年で幸せな日々を過ごすコリアーが不意にズボンのポケットを探ると、そこから出てきたのは1979年の硬貨でした。

公開当初はあまり成績の振るわなかった今作ですが、その後じわじわと支持者を増やしていき、今作ではカルト的な評価を得ています。

今の視点から観ると強引な部分も少なくありませんが、それでも今咲くほどロマンティックなタイムスリップ映画もそうないのではないでしょうか?

熱烈なファンを多く持つ作品です。

キューブ

低予算でも秀逸なアイデアに唸る、カルト的な人気を誇る名作

『キューブ』は1997年に公開されたヴィンチェンゾ・ナタリ監督モーリス・ディーン・ウィント主演のスリラー映画。

とても低予算で作られていながら、それを感じさせることのない圧倒的な面白さとスリリングさが魅力です。

スパイナル・タップ

疑似ドキュメンタリーでロックバンドをリアルに描いたカルト・コメディ映画

『スパイナル・タップ』は1984年に公開されたロブ・ライナー監督、 クリストファー・ゲスト主演のモキュメンタリー映画。

モキュメンタリーとは疑似ドキュメンタリーのこと。架空のバンド、スパイナル・タップを追ったドキュメンタリーという体の作品です。

ギャグも多いコメディ映画ではあるのですが、その一方で彼らが遭遇するアクシデントや困難やトラブルは本物のミュージシャンから見ても非常にリアルなようで、世界に名だたるミュージシャンが本作を好きだと公言しています。

バスケットケース

チープでも物語が光る、これぞカルトホラー映画

『バスケットケース』は1982年に公開されたフランク・ヘロンネッター監督、ケヴィン・ヴァン・ヘンテンリック主演のホラー映画です。

望まぬ分離手術によって引き離された元シャム双生児の兄弟。正常な見た目を持つ弟のデュアン・ブラッドリーは常に大きなバスケットケースを持ち歩いていました。その中身は奇形の凶暴な兄、ベリエル。べリエルのわがままさと凶悪さに手を焼くデュアンでしたが、とうとうベリエルは超えてはならない一線を超えてしまいます。

ゾンビ

多くの作品に影響を与えた、ゾンビ映画の金字塔

『ゾンビ』は1979年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督、デヴィッド・エンゲ主演のホラー映画です。

いわゆるゾンビ映画と呼ばれるジャンルの作品は全てこの作品から生まれたと言っていいでしょう。また本作に影響を受けた映画はゾンビ映画に限らず、ホラー映画に留まらず多く存在します。

カルト映画ではありますが、もはやカルト映画の枠も超えて、ホラー映画の偉大な名作であり金字塔であることは間違いありません。必見の作品です。

太陽を盗んだ男

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邦画屈指の有名カルト映画

『太陽を盗んだ男』は年に公開された長谷川和彦監督、沢田研二主演のアクション映画。

高校の理科教師の城戸は無気力な教師だったが、ある事件をきっかけに原爆作りに夢中になっていきます。

原子力発電所からプルトニウムを盗み、原爆を完成させた城戸は、それを国会議事堂前に置き、日本政府を脅迫します。

原爆をテーマに持ってくるところもそうですが、皇居前でのゲリラ撮影などこの映画そのものが日本のタブーに挑戦しているような、エネルギーあふれる作品。

邦画のカルト映画と言えば真っ先に名前が上がる作品の一つでもあります。

ハロルドとモード 少年は虹を渡る

老女と少年の恋を描いたカルト的な人気の恋愛映画

『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』は1971年に公開されたハル・アシュビー監督ルース・ゴードン主演の恋愛映画。

元ナチスの強制収容所にいた老女と狂言自殺が趣味の少年の恋を描いています。

1998年の映画『メリーに首ったけ』では、キャメロン・ディアス演じるメリーが本作をフェイバリット・ムービーとして挙げるなどアメリカにおいてはカルト的な人気を誇る作品です。

ロッキー・ホラー・ショー

「世界最初のカルト映画」と称される永遠のカルト映画

『ロッキー・ホラー・ショー』は 1976年に公開されたジム・シャーマン監督 ティム・カリー主演のSF映画。

SF映画といってももはやこれはジャンルがわからない・・・。『ロッキー・ホラー・ショー』としか呼べない、そんな強烈な個性を持った映画です。

同名のミュージカルを映画化した今作はスタジオの意見よりも、例え低予算でも自分達のやりたいことを貫いたことで、逆に古くささを感じさせず、今なお新しいファンを獲得し続ける作品になったのではないかと思います。

映画史上初のカルト映画という意味でも有名な作品です。

>CINEMA OVERDRIVE

CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。