3月は卒業の時期。学生さんにとっては進学や就職など、新しいステージに進む人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな卒業の時期に観たいおすすめの映画を紹介します!
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
天才的な頭脳を持つ青年と失意の教授との交流を描いた名作
『グッド・ウィル・ハンティング』は1997年に公開されたガス・ヴァン・サント監督、マット・デイモン主演のドラマ映画。
天才的な頭脳を持ちながらも孤児で素行不良の青年と、妻に先立たれ、失意のなかにいる大学教授との交流を描いた作品です。
マサチューセッツ州工科大学数学科の教授であるジェラルド・ランボーは学生にある難問を出題します。誰もその問題が解けない中、ある日正解を書き上げた人物が現れます。その正体が誰か不明でしたが、ある時それは学生ではなく、大学で清掃員のバイトをしているウィル・ハンティングという青年でした。
ランボーはウィルの才能に感嘆しますが、ウィル自身は不良グループに属し、非行を繰り返しては鑑別所を出入りするような人間でした。ランボーはウィルをなんとか更正させようと様々な心理学者に見てもらいますが、ウィルは彼らを軽くあしらい、ウィルの更正は全く進みません。
ランボーは最後の手段として学生時代の同級生であるショーン・マグワイアをウィルに会わせます。最初は今までと同じようにショーンをからかっていたウィルでしたが、やがてショーンも心に深い傷を負っていることを知ります。
まだ無名だったベン・アフレックとマット・デイモンが共同で書き上げたこの脚本は高い評価を得て、アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞でも脚本賞を受賞しました。
イントゥ・ザ・ワイルド
荒野を目指した青年のあまりに純粋な生涯
『イントゥ・ザ・ワイルド』は2007年に公開された伝記映画。監督はショーン・ペン、主演はエミール・ハーシュが務めています。
大学を優秀な成績で卒業したクリストファー・マッカンドレス。彼は幼い頃から両親の不和と自分の決まりきった人生にむなしさを感じていました。
そんなマッカンドレスは大学を卒業すると、「一度は原始的な環境のなかに身をおくべき」として、自分の所有する車や身分証明書、お金をすべて捨てて、「アレキサンダー・スーパートランプ」を名乗り、ひとりでアラスカの荒野を目指します。
雄大な自然と、クリスが旅先で出会う人々の温もり。
しかし、そんな彼らと別れを繰り返してまで荒野へ行くのは本当に正しいことだったのか?クリスはアラスカの荒野で本当の幸せとはなにかを見つけます。
蒼く若く、純粋なクリスの生き方、人生が美しい映像と相まって胸に迫ってきます。特にこれから就職を控えた学生におすすめしたい作品です。
レディ・バード
ロッテントマトで異例の高評価を受けた青春映画
『レディ・バード』は2017年に公開されたグレタ・ガーヴィング監督、シアーシャ・ローナン主演のドラマ映画です。
映画批評サイトのロッテントマトでは異例の100点満点を記録した映画です。
髪をオレンジに染めた高校生、クリスティーンは自身をレディ・バードと名乗りながら生活していました。彼女は卒業を控えていますが、進路のことで母親とは対立が続いています。そんなレディ・バードの恋愛や家族などの関係を通して、彼女の日常と成長を丁寧に描いた作品です。
家族関係や恋愛など、共感できる部分も多い一方で、あくまでも「アメリカの高校生の暮らし」が話の前提になるため、私たち日本人が観た場合にそれほど共感できなかったり、懐かしめない場面もあるのではないかなとは思います。
魔女の宅急便
魔女の少女の旅立ちと成長を描く、ジブリ映画のヒット作
『魔女の宅急便』は1987年に公開されたスタジオジブリのアニメ映画です。監督は宮崎駿、主演声優は高山みなみが務めています。
魔女として修行に旅立つキキの奮闘と成長を描いた作品です。
13歳になると親元を離れて1年間他の町で暮らさなければならないという、魔女のしきたりにしたがって、13歳のキキは愛猫のジジと故郷から他の町へ旅立ちます。
新しい町で親切なパン屋の夫婦に出会ったキキは自らの魔法の力を活かして、「魔女の宅急便」を始めます。いろんな人々との出会いや経験を通してキキの成長を描いた物語です。
原作は角野栄子の児童文学『魔女の特急便』。
映画化に当たっては「宅急便」がヤマト運輸の登録商標であったことから、真っ先にヤマト運輸にスポンサーしたという裏話もあります。
映画の内容は原作とは大きく設定を変えた部分も多いものの、『となりのトトロ』の3倍以上の興行収入を記録し、当時の日本のアニメ映画の最高記録を樹立しました。
トイ・ストーリー3
『トイ・ストーリー』シリーズ屈指の名作!涙なしには観れない感動作
『トイ・ストーリー3』は2010年に公開されたリー・アンクリッチ監督のアニメ映画。『トイ・ストーリー』シリーズの3作目にあたります。
今作で描かれるのはおもちゃとの別れ。
『トイ・ストーリー』の時には7歳だったアンディも高校を卒業し、大学生になり引っ越すことに。もうおもちゃと遊ぶこともなくなっていました。
段ボールにまとめられたおもちゃたちはアンディの母親の手違いでゴミに出されてしまいます。捨てられたと勘違いしたおもちゃたちは近所の託児所向けのおもちゃの段ボールに入り込みます。
最初は歓待されたアンディのおもちゃたちですが、託児所「サニーサイド保育園」は古株のおもちゃ、ロッツォの支配する恐ろしい場所でした。
おもちゃにとっての幸せとは何かを描いた本作。特にエンディングはあらゆる映画の中でも完璧と言っていい出来映えではないでしょうか。
涙なしには観られない、おすすめの作品です。
ロッキー・ザ・ファイナル
『ロッキー』シリーズの有終の美を飾る作品。人生とは何かを問う名作
『ロッキー・ザ・ファイナル』は2006年に公開されたシルヴェスター・スタローン監督・脚本・主演のドラマ映画。
『ロッキー』シリーズしては6作目であり、ロッキーを主役にした作品は事実上今作が最終作となっています。
老境に入ったロッキーは妻のエイドリアンも亡くし、息子との関係もギクシャクしていました。相変わらず町の名士として愛されているロッキーではありましたが、今の人生に言いようのない虚しさと孤独を感じてもいました。
そんな中、たまたまテレビで全盛期の自分と今のチャンプのバーチャル試合のシミュレーションを目にします。結果はロッキーの勝利でしたが、テレビのコメンテーターたちはその結果に懐疑的でした。
ロッキーは彼らを見ながら、自分の中にボクサーとしての情熱がくすぶっているのを感じていました。
旅立ちとは少し違いますが、新しいことを始めようとするという意味ではこれほどモチベーションを上げてくれる映画もないと思います。