今回はおすすめのイタリア映画を紹介します。イタリアといえばローマ国際映画祭や、ベネチア国際映画祭など、ファッションや食文化とともに映画文化にも優れた国というイメージがあります。
しかし一方では第二次世界大戦中はムッソリーニ率いるファシスト党が政権を握る独裁国家でもあり、数奇な歴史を歩んできた国というのも事実です。
今回紹介するおすすめのイタリア映画も、そういったイタリアの歴史を反映した作品を選んでみました。
ライフ・イズ・ビューティフル
ロベルト・ベニーニが監督脚本主演を務めて伝えたかった、「人生は美しい」ということ
『ライフ・イズ・ビューティフル』は1997年に公開されたロベルト・ベニーニ監督・主演のドラマ映画です。
前半は北イタリアにやって来た陽気な男、グイドと彼の一目惚れした女性のドーラとのコメディタッチの恋愛劇なのですが、後半はナチスドイツによって収容所に入ることになったグイドと彼の息子ジョズエの話になります。
つらい収容所の生活を息子に感じさせまいとグイドは「これはゲームなんだ、いい子にして得点を稼いだら家に帰れる」とジョズエに言い聞かせます。
タイトルの「ライフ・イズ・ビューティフル」とはタイトルはロシアの革命家であるトロツキーが、スターリンからの暗殺者に怯える中でも「人生は美しい」という言葉を残したことに起因しています。
ベニーニは「どんな状況下でも人生は生きるに値するほど美しい」という信念に感銘を受け、物語を着想しました。
イタリア映画の枠を超えて、1990年代の名作映画にも頻繁に名を連ねる傑作です。
道
映画史に輝く、フェリーニの代表作にしてヒューマニズム映画の傑作
『道』は1959年に公開されたフェデリコ・フェリーニ監督、アンソニー・クイン主演のドラマ映画。
粗暴な大男のザンパノと、少し頭は足りないけれども心優しいジェルソミーナの旅を描いています。
冒頭にも述べたように、戦時中のイタリアはファシズムの国でした。ザンパノが象徴しているのはそんな独裁的で強権的なかつてのイタリアの姿ではないでしょうか。ジェルソミーナはそんなイタリアで虐げられていた人々を連想させます。
フェリーニの最高傑作のひとつでもあり、ヒューマニズムが全面に出ている作品でもあります。
映画史に残る名作の一つ。観ておいて損はない、おすすめの映画です。
サスペリア
日本でも大ヒットした、イタリアン・ホラーの名作
『サスペリア』は1977年に公開されたダリオ・アルジェント監督、ジェシカ・パーカー主演のホラー映画です。
「決してひとりでは見ないでください」のキャッチコピーも相まって大ヒットとなった本作ですが、今現在のホラー映画の基準からいくとそう怖くもないので十分一人で観られる映画だと思います。
年代のホラーの主流であったオカルト要素の強い作品。
ニューヨークからイタリアの名門バレエ教室を訪れたスージーは、そこで一人の女性が何者かに追われているのを目撃します。
スージーの周りでは得体のしれない殺人事件が続きます。そしてスージーは学校の秘密を探そうとしますが、そこで知ったのは思いがけない真実でした。
スージーを演じたのはジェシカ・パーカー。ジェシカ・パーカーが本作に起用されたのはアメリカでの興行収入を見込んでのことだったとのこと。
2018年にはリメイク版も公開されています。