日本を舞台にしたハリウッドのおすすめ映画

ラスト サムライ

武士道を描いたヒット作!渡辺謙を世界的ブレイクへ導いた作品

『ラストサムライ』は2003年に公開された エドワード・ズウィック監督、トム・クルーズ主演のドラマ映画です。

今作は渡辺謙がアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされたことでも話題になりました。

独立戦争でネイティブ・アメリカンを虐殺した罪の意識を持つ軍人のネイサン・オールグレンは、日本政府軍を訓練するという任務を負って日本に渡ることになりました。その当時の日本は明治政府と不平士族の争いが絶えない状態に陥っていました。

オールグレンは不平士族のリーダーである勝元が鉄道を襲ったという知らせを聞き、やむなく軍隊を率いて現場へ向かいますが、まだ訓練の不足している軍隊は勝元の率いる侍たちの前にバラバラになってしまいます。

オールグレンも勝元らに捕らえられますが、勝元はオールグレンを殺さず、逆にオールグレンに興味を抱きます。またオールグレンも、侍の美学を残した彼らの暮らしぶりに抱き、次第に勝元とも絆が生まれるようになります。

日本描写について少し変な部分はやはりあるものの、エドワード・ズウィックがここまで敬意を持って武士道を描いてくれたことには驚きと称賛を禁じ得ません。

沈黙ーサイレンスー

巨匠マーティン・スコセッシが遠藤周作の小説を映画化

『沈黙ーサイレンスー』は2016年に公開されたマーティン・スコセッシ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演のドラマ映画です。

原作は遠藤周作の小説である『沈黙』。

ポルトガルの宣教師であるセバスチャン・ロドリゴ神父とフランシス・ガルペ神父は日本へキリスト教の布教に向かったフェレイラ神父が、布教先の長崎で棄教したことを知らされます。

師であるフェレイラの棄教が信じられない彼らはその真相を知るためにはポルトガルを経由して長崎へ向かいます。

そこで彼らが見たのは隠れキリシタンに対する幕府の過酷な弾圧でした。なぜ弱いものがこれほど苦しむのか?ロドリゴはそう問いかけますが、キリストは黙ったまはまなのでした。

やがて幕府の手はロドリゴやガルペの身にも迫っていきます。

そしてロドリゴは最も過酷な決断を迫られることになります。

マーティン・スコセッシが『最後の誘惑』に引き続いてキリスト教をテーマにした今作。その根底にあるのは「弱い者こそ本当に救われるべきではないのか?」という問い。スコセッシ自身、宗教家を目指した過去がありますが、世俗的な欲求に負けて、宗教家への道を挫折したという経緯があります。

スコセッシは1988年に『最後の誘惑』という映画を撮ります。この映画はキリストか世俗的な誘惑に負け、堕落するという物語ですが、公開されるやいなや、大バッシングを受けます。

スコセッシにとっては弱いキリストを描くことがキリスト教への誠実さでしたが、それは当のキリスト教信者たちには理解されませんでした。

世間からの大バッシングで落ち込んでいた時に出会ったのが遠藤周作の『沈黙』でした。

スコセッシはそれ以来、『沈黙』の映画化を模索してきました。

そして2016年にようやく『沈黙ーサイレンスー』としてスコセッシの思いは結実します。

信仰とは、神とは何なのか。スコセッシは本作を「宗教家として撮った」と発言しています。

ブレット・トレイン

伊坂幸太郎の原作をハリウッドで映画化したエンターテインメント溢れるおすすめ映画

『ブレット・トレイン』は2022年に公開されたデヴィッド・リーチ監督、ブラッド・ピット主演のSF映画です。

原作は伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』。

タイトルの 『ブレット・トレイン』とは新幹線のこと。

ツイてない殺し屋のレディ・バグは復帰第一回目の仕事として、東京ー京都間の新幹線からブリーフケースを盗むという任務を任されます。簡単な任務のように思えた仕事でしたが、新幹線の中には他にもブリーフケースを狙う殺し屋たちが多数乗り込んで来ていました。レディ・バグは自分の不運さを嘆きながらも任務を遂行しようとしますがー。

舞台はこのように日本なのですが、コロナ禍での製作ということもあり、撮影は全てアメリカで行われました。日本人のキャストとしては真田広之、福原かれん、マシ・オカが参加しています。

コメディ要素も多く、そのお陰で日本描写がかなり誇張されたものになっていても逆にそれが作品にマッチしていました。真剣にやって間違えた日本描写ではなく、違うとわかっていて敢えてやっている日本描写なので、素直に楽しむことができましたね。

映画もテンポ良く進んでいきますし、一人一人のキャラクターがしっかり描かれていて、それぞれ見せ場もあるので本当に退屈しない作品でした。エンターテインメントでなにも考えずに楽しめる作品を探している人には本当におすすめの一本です。

パシフィック・リム

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ワーナーホームビデオ

日本の特撮映画へのオマージュ満載のおすすめ怪獣映画

『パシフィック・リム』は2013年に公開されたギレルモ・デル・トロ監督、チャーリー・ハナム主演のSF映画です。

映画の全編が日本を舞台にした作品というわけではないですが、ギレルモ・デル・トロ監督が日本の特撮映画へのこの上ないリスペクトを詰め込んだ今作にはメインキャストの一人である森マコの幼い頃として日本が映し出されます。

また、怪獣をそのままKAIJUと呼称したり、ウルトラマンの怪獣からオマージュを得たモンスターデザインがあったりと、日本の怪獣映画への深い造詣とリスペクトを感じることができます。

監督のギレルモ・デル・トロは幼い頃から日本の特撮映画やアニメに夢中でした。いじめられっ子だったデル・トロは怪獣をやっつけるヒーローではなく、退治されていく怪獣の方に共感を覚えたと言います。

『パシフィック・リム』は協調がテーマになっているそうで、よくあるハリウッド映画のようにアメリカ単独で世界の危機を救うものではなく、世界各国が連携して怪獣と戦うというストーリーになっています。

インセプション

夢の中の世界を映像化した、クリストファー・ノーランの人気作

『インセプション』は2010年に公開されたクリストファー・ノーラン監督、レオナルド・ディカプリオ主演のSF映画です。こちらも全編日本を舞台にした映画というわけではないのですが、日本が大きな位置を占めている作品なのは間違いありません。

レオナルド・ディカプリオ演じるコブは人の夢の中に侵入して情報を盗む企業スパイです。

日本人実業家のサイトーの夢に侵入し、情報を盗もうとしたコブですが、その途中でサイトーに気づかれて失敗します。

しかし、サイトーは逆にコブに対して「相手に夢を通してあるアイデアを植え付けることはできないか」と持ちかけます。

斬新なストーリーと、夢の世界を脅威の映像で再現したクリストファー・ノーランの最高傑作の一つです。

>CINEMA OVERDRIVE

CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。