音楽をテーマにしたおすすめ映画

今回は音楽をテーマにしたおすすめの作品を紹介します。

音楽をテーマにした映画といえば、最近よくあるのは実在のミュージシャンの伝記映画やドキュメンタリー作品ですが、それはまた別に紹介するとして、今回はフィクションの作品から音楽をテーマにしたおすすめの映画を選んでみました。

スパイナル・タップ

何よりもロックバンドをリアルに描いた疑似ドキュメンタリー映画の名作

『スパイナル・タップ』は1984年に公開されたロブ・ライナー監督、 クリストファー・ゲスト主演のモキュメンタリー映画。

モキュメンタリーとは疑似ドキュメンタリーのこと。架空のバンド、スパイナル・タップを追ったドキュメンタリーという体の作品です。とは言ってもスパイナル・タップはその後、映画の世界を飛び出して本当にレコード・デビューしたりしているので、半分架空のロックバンドと言った方が近いかもしれません。

ギャグも多いコメディ映画ではあるのですが、その一方で彼らが遭遇するアクシデントや困難やトラブルは本物のミュージシャンから見ても非常にリアルなようで、世界に名だたるミュージシャンが本作を好きだと公言しています。

あの頃ペニー・レインと

青春映画の名作。キャメロン・クロウ監督の自伝的映画

『あの頃ペニー・レインと』は2000年に公開されたキャメロン・クロウ監督、ケイト・ハドソン主演のドラマ映画。

原題は『Almost Famous』(ブレイク寸前)という意味ですが、これは邦題の方が冴えていますね。

いわずもがな、この邦題の元ネタはビートルズの曲名から。

『あの頃ペニー・レインと』は、キャメロン・クロウ監督自身の自伝的映画にもなっています。

わずか15歳でローリング・ストーンズの記者となったウィリアムは、ジャーナリストとして人気上昇中のロックバンド、スティル・ウォーターズのツアーに同行し、彼らを密着取材することに。

そこに表れたバンドのグルーピーであるペニーにウィリアムは惹かれていきます。

キャメロン・クロウ自身もウィリアム同様に、15歳でのライターとなり、

音楽映画でもあり、恋愛映画でもあり、青春映画とも言える稀有な名作です。

イエスタデイ

世界からビートルズが消えたら?ダニー・ボイル監督のコメディ映画の佳作

『イエスタデイ』は2019年に公開されたダニー・ボイル監督、ヒメーシュ・パテル主演のファンタジー・コメディ映画。

ミュージシャン志望のジャックは彼が目覚めると、そこはビートルズの存在しない世界になっていました。

ジャックはビートルズの楽曲を使ってミュージシャンとして、成功しようとしますがー。

ビートルズのいなくなった世界という斬新な設定と、ダニー・ボイル監督、リチャード・カーティスの脚本という間違いない布陣で臨んだ今作。

実際の出来栄えはハートウォーミングな佳作と言ったところでしょうか。

とは言え、後半に描かれるある人物の登場はまさに映画の起こした奇跡と言うべきもので、これだけでも『イエスタデイ』を観る価値はあります。

素晴らしいひと時を届けてくれる、おすすめの映画です。

少年メリケンサック

パンクをテーマにしたクドカン人気のコメディ映画

『少年メリケンサック』は2008年に公開された宮藤官九郎監督、宮崎あおい主演のコメディ映画。

レコード会社の新人発掘担当として働くかんなは動画サイトであるバンドを見つける。決して上手とは言えない演奏でしたが、その人気とアグレッシブなパフォーマンスにかんなはこのバンドは売れると確信。

そのバンド「少年メリケンサック」のメンバーに会いに行きますが、実際のメンバーは動画とは似ても似つかぬ中年のダメ親父達ばかり。

動画は彼らの若い頃のものだったのです(動画の時点で気付けという話なのですが)。

少年メリケンサックのメンバーと全国ツアーに赴くかんなですが、かんなは彼らに常に振り回されてばかり。

宮藤官九郎らしい軽妙なコメディですね。あまりにステレオタイプなパンクはちょっと観る人を選ぶかもしれませんが、平均的には楽しんで観れる作品だとは思います。

スクール・オブ・ロック

ダメ男の純粋さに感動!ジャック・ブラック主演の人気コメディ映画

『スクール・オブ・ロック』は2003年に公開されたリチャード・リンクレイター監督、ジャック・ブラック主演のコメディ映画。ロックを取り上げた映画は数あれど、個人的には最も感動した映画かもしれません。

売れないロックミュージシャンのデューイは身勝手なパフォーマンスのせいで所属していたバンドをクビになってしまいます。生活に困ったデューイは同居している親友のネッドに成り済まして私立学校の臨時教員として学校に赴きます。

とはいっても全く生徒を教えた経験などないデューイは授業も満足に行えません。成績は何を基準につけるのか、と生徒に問われたデューイは、生徒たちに音楽の才能があることに気づくと、授業でバンドを組ませ、それを成績に反映させることを思い付きます。目標はバンドバトルコンテストで優勝すること。そして校長には内緒でデューイと子供たちの授業という名のバンド練習が始まっていきます。

最初に観た時は恥ずかしながら泣いてしまいました。

主人公のデューイは確かにダメ人間ではありますが、その分、純粋な男だというのが伝わってきて、どうにも泣けてきました。

今も根強い人気を誇る、おすすめの学園コメディ映画です。

天使にラブ・ソングを…

ウーピー・ゴールドバーグ主演の大人気ゴスペル映画!

『天使にラブ・ソングを…』は1992年に公開されたエミール・アルドリーノ監督、ウーピー・ゴールドバーグ主演のドラマ映画。

ギャングの愛人だったデロリスはボスの殺人現場を目撃、組織から逃げるために証人保護プログラムによって匿われたのはなんと修道院でした。修道女として素性を隠して働くことになったデロリスはそこの聖歌隊の歌がひどいことを知り、自らが聖歌隊の指導者となり、聖歌隊を鍛えていきますが、その内容は聖歌にゴスペルなどのアレンジを加えた型破りなもの。規律を重んじる院長との対立は深まっていくばかりでしたが、そんなさなか、ギャングのボスがデロリスの居場所を突き止めてしまいます。

まぁ物語自体はベタな展開ですが、やはり音楽の良さは群を抜いて非凡なもの。

聖歌をゴスペルにアレンジしているのですが、このアレンジと構成がどの楽曲も素晴らしいのです。

その魅力の強さがこの映画の人気にもつながっていったのは確実でしょう。

デトロイト・ロックシティ

KISSのライブを観るために!田舎の高校生たちの執念を描いたコメディ映画

『デトロイト・ロックシティ』は1999年に公開されたエドワード・ファーロング主演のコメディ映画。

舞台は1978年のアメリカ。田舎町に住むホーク、レックス、ジャム、トリップの4人はロックバンドKISSの大ファン。彼らの町のそばのデトロイトにKISSごやってくると知った彼らは密かにライブ・チケットを購入しますが、ロックを悪魔の音楽と信じて疑わないの母親にチケットを燃やされてしまいます。

それでもチケットを諦められない4人は一縷の望みを抱いてデトロイトへ向かいます。

単なるKISSファンを描いた映画ではなく、制作にKISSメンバーのジーン・シモンズが名を連ねていることからわかるように、KISSも今作に深く関わっています。

リメンバー・ミー

死者の世界に迷い込んだ少年が知る家族の本当の絆

『リメンバー・ミー』は2017年に公開されたピクサーのアニメ映画です。

メキシコに住むミゲルは町の有名なスターであるに憧れ、音楽を愛する少年でしたが、ミゲルの家は代々音楽を禁止にしていました。

「死者の日」、ミゲルはデラクルスのギターに触れてしまったことで「死者のものを盗らない」というルールを破ることになってしまったミゲルは死者の国へ飛ばされます。

そこで知り合ったヘクターという死者とともに、ミゲルは現世へ戻る方法を模索しますが、死者の国でミゲルは自身の出自に関する、ある大きな秘密を知ってしまいます。

生も死も越える、家族の絆を描いた、ハートフルな作品です。

マチネの終わりに

天才ギタリストとジャーナリストの大人の恋愛映画

最後に邦画から2つ紹介しましょう。

音楽というか恋愛をテーマにした映画と言った方が近いかもしれませんが、おすすめ作品なので合わせて紹介します。

『マチネの終わりに』は西谷弘監督、主演を福山雅治、石田ゆり子が務めています。

クラシックギター奏者である蒔野聡史はがコンサートで紹介されたことがきっかけでジャーナリストの小峰洋子と出会います。その時、洋子には恋人がいましたが、洋子は聡史に惹かれていきます。

原作は平野啓一郎の同名小説。登場人物の設定がどれも浮世離れしているのが気になると言えば気になるのですが、大人の恋愛映画としては佳作と言っていい出来栄えでした。

ラストシーンの切り方も完璧でしたね。

原作小説の映画化としては小説のファンを裏切らない出来となったように思います。

グッモーエビアン!

気楽に楽しめるパンクなエンターテインメント作品

こちらも音楽というよりは家族をテーマにした映画と言った方が近いかもしれませんが、おすすめなので合わせて紹介。

『グッモーエビアン!』は2012年に公開された、山本透監督、麻生久美子、大泉洋主演のドラマ映画。

女手一つで娘を育てている元パンクロッカーのアキのもとに、海外生活を送っていたパートナーのヤグが帰ってきます。自由奔放で楽天家、いい加減なヤグに娘のハツキは振り回されっぱなしでうんざりします。

邦画にありがちなあり得ない設定と物語ではあるのですが、確かに面白かったので選びました。個人的に麻生久美子さんと大泉洋さんのファンだというのも大きいかもしれませんが…。

>CINEMA OVERDRIVE

CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。