レヴェナント:蘇えりし者
ヒュー・グラスの伝説を映画化。鬼気迫る演技も見逃せない良作
『レヴェナント』は2016年に公開された監督、レオナルド・ディカプリオ主演のドラマ映画です。
19世紀のアメリカを舞台にした作品です。1823年、アメリカ北西部の極寒地帯。とある毛皮ハンターの一団は先住民の襲撃を受け、多大な犠牲を払いながら命からがら川を下っていました。
ハンターのひとり、ヒュー・グラスは先住民の妻との間にもうけた息子、ホークとともにガイドとして同行していました。
山越えのルートを進んでいた最中、グラスは見回り中に子連れの熊に襲われ重傷を負います。隊長のアンドリュー・ヘンリーは瀕死のグラスを残して出発することを決断し、彼の最期を看取り埋葬する者として、ホークとジョン・フィッツジェラルド、若いジム・ブリッジャーが残ることになりました。
しかし、フィッツジェラルドは2人がいない間に瀕死のグラスを殺そうとします。その様子をホークに見つかり銃を向けられすが、フィッツジェラルドは返り討ちにしてホークを殺害します。その一部始終を見ていたグラスは奇跡的に一命をとりとめ、折れた足を引きずり這いながらフィッツジェラルドを追い始めます。
そしてグラスは復讐の旅を開始します。
今作で息子の復習を果たすグラスは生き延びるために馬の体を裂いてその中で眠るなど過酷なサバイバルをこれでもかと見せつけます。
自然光で撮影されたという映像の美しさ、ディカプリオの鬼気迫る演技。もちろんストーリーも素晴らしいのですが、映像や音楽、演技などそれ以外の要素も作品の魅力の面でどれだけ強い要素を持っているかをつくづく感じさせられます。
今作でついにレオナルド・ディカプリオは念願のオスカーを獲得することができました。むしろ、これで獲得できなければおかしいと思えるほどの演技だったと思います。必見のおすすめ映画です。
アイ・アム・レジェンド
無人のニューヨークで一人生き残った男
『アイ・アム・レジェンド』は2007年に公開された監督、ウィル・スミス主演のSF映画です。
原作はリチャード・マシスンがに書いた『地球最後の男』。同作は複数回にわたって映画化されてきて、本作は三度目の映画化になります。
殺人ウイルスの蔓延によってそれまでの人間が誰一人いなくなったニューヨークを舞台に唯一生き残ったロバート・ネヴィル博士。ネヴィルはウィルスによって凶暴化した人々(ダークシーカー)を人間に戻す実験に日々取り組みながら、ニューヨークで孤独な生活を送っています。
予告編が一人でどう極限状態を生き延びるかというサバイバル映画のような内容だったんですが、実際はホラー映画に近いかなと思います。
劇場公開版と未公開版で、エンディングが全く異なる本作。
個人的には未公開版のエンディングのほうが伏線の回収や原作にも近いエンディングになっていて好みではあるのですが、劇場公開版はそれらの伏線を放棄したバージョンでした。
そこにあるのは自己否定を受け入れることができなかった当時のアメリカの姿ではないでしょうか。
見比べてみるのもまた面白いと思います。
127時間
衝撃の実話をダニー・ボイルが映画化。絶対に見飽きないサバイバル映画の名作
『127時間』は2010年に公開されたダニー・ボイル監督、ジェームズ・ブランコ主演のサバイバル映画です。
実在のた。アーロン1人の力では岩はびくともせず、岩を削ろうにも持っていた万能ツールのナイフはまるで役に立たなかった。彼はボトル1本の水とわずかな食糧で食いつなぎ、そしてビデオカメラに様子を記録し始めた。
アーロンがその時に岩に右腕が挟まれ、身動きのとれないまま時間だけが経過していきます。
ほぼ全編登場するのは一人だけで、いわばワンシチュエーションの映画だとも言えますが、それでも退屈させないのはダニー・ボイルの手腕かと思います。
そういった意味では非常におすすめの一本。
アーロンの必死のサバイバルと、迫り来る死にどう立ち向かうのかが描かれています。
イントゥ・ザ・ワイルド
一人でアラスカの荒野で生きようとした青年の実話
『イントゥ・ザ・ワイルド』は2007年に公開されたショーン・ペン監督、エミール・ハーシュ主演のドラマ映画です。
全てを捨てて、一人だけの力で生きていくことを選んだ若者、クリストファー・マッカンドレスが目指した地は誰もいない、アラスカの荒野。
一人でサバイバルするにはあまりに頼りない装備と知識。マッカンドレスは広野の果てに何を見たのでしょうか。
マッカンドレスを高潔な青年と見るか、愚かな若者と見るかで判断は分かれるでしょう。
ただ、サバイバル映画というよりも、人生のひとつの在り方をも示してくれる作品として今回は『イントゥ・ザ・ワイルド』を選んでみました。おすすめの映画です。
オデッセイ
一人残された火星で4年間のサバイバル
『オデッセイ』は年に公開されたリドリー・スコット監督、マット・デイモン主演のSF映画です。
原作はアンディ・ウィアーの小説『火星の人』(ちなみに『オデッセイ』は邦題で、本来の映画タイトルは『The Martian』)。
火星の調査チームは火星探索中に大砂嵐に巻き込まれ、植物学者のマーク・ワトニーが砂嵐で折れたアンテナの直撃を受けます。ワトニーは死んだと思われ火星に取り残されますが、ワトニーは一命をとりとめていました。
火星に一人取り残されたワトニーはその知識を活かしてジャガイモを栽培し、火星でただ一人サバイバル生活を続けます。
作品のテンポもよく、高い満足度を得られる映画だと思います。
マット・デイモン演じるワトニーが次々に襲いかかる困難にアイデアを駆使して立ち向かっていくのも見所の一つ。
また、屈指の映像派の監督として知られるリドリ監督が描く火星の光景は息を呑むほどに美しく、こちらも見逃せないポイントです。
ゼロ・グラビティ
宇宙空間にただ一人。どうやって地球へ帰還する?
『ゼロ・グラビティ』は2013年に公開された アルフォンソ・キュアロン監督、サンドラ・ブロック主演のSF映画です。
宇宙空間を舞台にしたサバイバル映画です。『アイ・アム・レジェンド』やこの後に紹介する『キャスト・アウェイ』同様にほぼ主役のサンドラ・ブロックの一人芝居で物語が進行していく本作。この映画を初めて観たのはDVDレンタルだったのですが、その圧倒的な映像の迫力と宇宙空間の表現力に、なぜ映画館で観なかったのだろうと凄く後悔したのを覚えています。
今はストリーミングサービスも配信限定で映画を作成していますが、やはり映画館でしか得られない体験はあるのだと思います。
キャスト・アウェイ
サバイバル映画の代表作。無人島に漂着した男の生き残る術とは?
『キャスト・アウェイ』は2000年に公開されたロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス主演のドラマ映画です。
ロバート・ゼメキスとトム・ハンクスのタッグは1994年に公開された『フォレスト・ガンプ/一期一会』以来になります。
フェデックス社のシステムエンジニアとして働くチャック・ノーランドは仕事で搭乗した飛行機が事故で墜落するという悲劇に見舞われます。なんとか生き延びた彼はたどり着いた無人島で4年もの間、積み荷の中にあったバレーボールの「ウィルソン」とともに暮らし、脱出の機会を待ち続けます。
この映画を観て思うのは、人にとって孤独というのがどれだけ恐ろしいものなのか、そして希望を失わないことの大切さですね。
主演のトム・ハンクスはこの作品の撮影にあたって20kgの減量を果たしています。