未解決事件をテーマにしたおすすめ映画

事件を取り扱った映画は多くありますが、今回はその中でも未解決事件を扱った映画を紹介します。

中には犯人を最初から決めつけてかかり、結果的に冤罪としてみすみす真犯人を逃してしまう結果になったものも。

また、いくつもの時代を飛び越えて、今や一つの時代のアイコンと化した事件もあります。

ゾディアック

『ダーティ・ハリー』にも影響を与えた、いまなお未解決の劇場型犯罪

『ゾディアック』は2007年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督、ジェイク・ギレンホール、ロバート・ダウニー・Jrら主演のドラマ映画。

今なお未解決事件であるゾディアック事件をテーマにした作品です。

監督のデヴィッド・フィンチャーは幼い頃ゾディアック事件が起きた地域で暮らしており、ゾディアック事件をリアルタイムで、かつ同じ地域で身をもって経験しています。

ゾディアックという名前は、犯人が新聞社に送った犯行声明文で自身をそう名乗っていたことが理由です。劇場型犯罪としても強烈な衝撃を与えたこの事件は、クリント・イーストウッド主演の『ダーティ・ハリー』の犯人であるスコーピオンのキャラクターにも影響を与えています。

未だにその犯人が誰かということははっきりとわかっていません。

フロム・ヘル

切り裂きジャック事件を新解釈で描く歴史ミステリー作品

『フロム・ヘル』は2001年に公開されたアルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ監督、ジョニー・デップ主演のサスペンス映画。

切り裂きジャックの事件をモチーフにしています。

タイトルの『フロム・ヘル』とは切り裂きジャックが送った手紙の文章がもとになっています。

切り裂きジャックの正体については今なお多くの説が取り沙汰されていますが、今作ではその中のひとつをピックアップ。

切り裂きジャックの正体はいまなお様々な人物が取り沙汰されていますが、映画の中では事件は解決しています。

個人的に『フロム・ヘル』でのおすすめポイントはジョニー・デップのこれ以上ないカッコよさですね。

正直、映画として面白いかと言われると好き嫌いはあるとは思いますが、凡作と言ってしまってもいいと思います。

父の祈りを

英国司法史上最大の汚点と呼ばれた冤罪事件はなぜ生まれたのか?

『父の祈りを』は1993年に公開されたジム・シェリダン監督、ダニエル・デイ=ルイス主演のドラマ映画。

1974年に起きたギルフォード・パブ爆破事件と、それによって誤認逮捕された4人の一人、ジェリー・コンロンとその父であるジュゼッペ・コンロンが自らの冤罪を晴らすために奮闘する物語です。

この事件はイギリス司法史上最大の汚点とも呼ばれ、長い間再審が行われなかったために、爆破事件の真犯人は捕まらないまま、時効を迎えています(コンロン親子が収監されて数年後、事件の犯人と名乗るIRAメンバーが現れますが、結局爆破事件の容疑者としては起訴されなかったようです)。

今作のおすすめポイントはやはり実力派の俳優の演技ではないでしょうか。

ジェリー・コンロンを演じたダニエル・デイ=ルイスは史上唯一のアカデミー主演男優賞を三度受賞したことからもわかるように、その演技力には目を見張るものがあります。

彼の実力を示すエピソードとして、2007年の作品『フィクサー』での演技でジョージ・クルーニーも第80回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされていました。しかし、同じく主演男優賞にもダニエル・デイ=ルイスもノミネートされていたことから「自分が主演男優賞を受賞? ダニエルがいるから無理だよ」と答えたという逸話があります。

また、ダニエル・デイ=ルイスはその徹底した役作りでも有名で、今作『父の祈りを』では撮影中は北アイルランド訛りを徹底して話し、体重も約15Kg減量。夜は独房のセットで過ごし、世間に非難される被疑者になりきるために、撮影クルーに自分自身に向かって罵りや水を投げつけさせるなどの役作りを行っています。

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CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。