今回は冬の季節を舞台にしたおすすめの映画を紹介していきます。冬の厳しい寒さを感じさせる作品から、逆に冬ならではの暖かさを感じさせる作品まで、定番の名作映画から、ホラー、ラブコメ、コメディ、更にはアクションまで幅広く取り揃えました。
シザーハンズ
両手がハサミのままの人造人間の恋。ティム・バートンが描くほろ苦いファンタジー映画
『シザーハンズ』は1990年に公開されたティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演のファンタジー映画。
発明家の突然の死去によって両手がハサミのままになってしまった人造人間のエドワード。彼は発明家が亡くなった後も町外れの城に一人で住んでいましたが、ある日城を訪れたセールスマンのペグによってエドワードは町へ下りることになります。
両手がハサミのエドワードは造園やヘアカットなどで能力を発揮し人気者になりますが、ふとしたことがきっかけでハサミで人を傷つけてしまいます。
ペグの娘のキムはエドワードの無垢な性格を知っており、故意に傷つけたわけではないこともわかっていますが、キムのボーイフレンドのジムは次第にエドワードに惹かれていくキムへの気持ちもあり、エドワードに敵対するようになります。
ティム・バートンとジョニー・デップがタッグを組んだ最初の作品。少しホラーチックな部分はありつつも、おとぎ話のような不思議な世界観はティム・バートンの真骨頂といったところではないでしょうか。降り注ぐ雪がとても印象的な、悲しくも心温まる作品です。
ホーム・アローン
冬の定番!人気のファミリー向けコメディ映画
『ホーム・アローン』は1990年に公開された クリス・コロンバス監督、マコーレー・カルキン主演のコメディ映画。
もはや説明不要の定番の作品ですね。
大家族のマカリスター家は末っ子のケビンを忘れてパリ旅行に出掛けてしまいます。前日に家族と喧嘩し、「家族なんて消えてしまえばいい」とお祈りしたケビンは大喜び。
しかし、その頃泥棒が誰もいなくなった(と思い込んでいる)ケビンの家を狙っていました。泥棒たちの計画を知ったケビンは、ひとり家中にトラップを仕掛け、泥棒たちを待ち受けます。
マコーレー・カルキンの大ブレイク作。
笑って感動できるおすすめのファミリー向けコメディ映画です。
素晴らしき哉、人生!
公開当時は惨敗も、今は映画史に残る大傑作に。クリスマスの定番映画
『素晴らしき哉、人生!』は1946年に公開されたフランク・キャプラ監督、ジェームズ・スチュワート主演のファンタジー映画です。
ジョージはある人に騙され、大金を失い自殺を考えていました。その様子を空から見ていた二級天使のクラレンスはジョージを助けるように上級天使から命じられたす。ジョージの人生を子供の頃からさかのぼって見ていくクラレンス。
そしてとうとうジョージが自殺を決行しようとしたとき、ジョージは見知らぬ老人に助けられます。老人は自分の正体を天使だと明かし、ジョージに「ジョージが存在しなかった世界」を体験させます。
ジョージがいない世界はひどく荒れ果て、家族となるはずの妻も不幸な人生を送っていました。
ジョージは自分の人生がかけがえのない素晴らしいものであったと気づき、元の世界へ戻してくれるように頼みます。
公開当初は興行的に失敗し、この作品を機にキャプラははっきりと寡作になっていきます。
しかし、その後にテレビで繰り返し放送されたことから再評価の動きが加速。
今ではアメリカ映画の名作の中に必ずと言っていいほどランクインされる作品となりました。
ダイ・ハード
クリスマス映画なのか?論争を起こし続けるアクション映画の名作
『ダイ・ハード』は1988年に公開されたアクション映画。監督はジョン・マクティアナン、主演はブルース・ウィリスが務めています。
妻の付き添いでにきたニューヨーク市警のジョン・マクレーンは成り行きで単身ナカトミ・ビルを占拠したテロ・グループと対峙することに。
今作はそれまでの好戦的でマッチョで、無敵の男が活躍するアクション映画の作品とは異なり、嫌々ながらも頭脳を駆使して普通の男が敵と戦うアクション映画となり、後の映画にも大きな影響を与えています。やはり今観てもものすごく面白い、おすすめの作品です。
ホリデイ
キャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレットの共演。冬に観たい、恋愛映画の人気作
『ホリデイ』は2006年に公開されたナンシー・マイヤーズ監督、 キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット主演のラブコメ映画です。
日本ではあまり馴染みはないのですが、休暇中にお互いの家を交換する、「ホーム・エクスチェンジ」をテーマにした作品です。
彼氏に逃げられた、映画予告製作会社の経営者であるアマンダと、同じく恋人に振られた新聞社に勤めるコラムニストのアイリス。
顔も知らぬ二人ですが、サイトを利用して互いに家を交換することに。そこには思いがけない出会いが待っていました。
クリスマスの時期にぴったりのラブコメ映画。脇を固めるジュード・ロウやジャック・ブラックも相まって心温まる作品に仕上がっています。恋愛映画としてもおすすめの一本です。
ちなみにケイト・ウィンスレット演じるアイリスとジャック・ブラック演じるマイルズがレンタルビデオ店を訪れるシーンでダスティン・ホフマンがカメオ出演しているのですが、これは本当にたまたま撮影現場にダスティン・ホフマンが通りかかったためだとか。
ドラゴン・タトゥーの女
凍てつく北欧で過去の失踪事件を追う天才ハッカー
『ドラゴン・タトゥーの女』は2011年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ主演のサスペンス映画です。
スウェーデン映画の『ミレニアム』をハリウッドでリメイクした作品です。
新聞記者のミカエルは大実業家の密売をスクープしますが、裁判で敗訴になり窮地に立たされます。そんな中、別の巨大企業の会長がミカエルにコンタクトを取ります。内容は裁判で勝てる証拠を与える代わりに40年前のある失踪事件を調査してほしいというものでした。
ミカエルは凄腕のハッカー、リスベットとともに事件の真相に迫ります。
正直ただ作品の舞台が冬というだけでそこまで冬を全面に出した作品ではないのですが、それでもの荒涼とした景色と凍てつくような冬の寒さのマッチングがデヴィッド・フィンチャーならではの映像美と相まって、これ以上無い美しさを演出しています。
個人的にもこの映画は大好きな作品です。ルーニー・マーラ演じるリスベットの強烈なキャラクターと、フィンチャーならではのスタイリッシュな映像、ジェームズ・ボンドとはまた一味違った人間味のあるダニエル・クレイグの演技など、見逃せないポイントもたくさん。トレント・レズナーの音楽も本当にカッコいい、おすすめの作品です。
ナイトメア・ビフォア・クリスマス
クリスマスに観たい、ティム・バートンならではのアニメ映画
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は1993年に公開されたヘンリー・セリック監督のアニメーション映画。原案と製作はティム・バートンが務めています。
ハロウィンタウンの住人のジャックはあるときクリスマスタウンの世界に迷いこんでしまいます。そこはサンタクロースがみんなにプレゼントを配り、とても楽しそうな世界でした。
ハロウィンがマンネリ化していることに危機感を覚えていたジャックはクリスマスタウンを真似て自分たちのクリスマスを開催しようとするのですが…。
内容通り、ハロウィンにぴったりのキャラクターが目白押しの映画です。
THE 有頂天ホテル
三谷幸喜監督の人気作!大晦日のホテルで巻き起こる大騒動!
『THE 有頂天ホテル』は2006年に公開された三谷幸喜監督、役所広司主演のコメディドラマ映画。
大晦日の1日を舞台に、年越しパーティーを無事に成功させるまでを描いた群像劇です。
あの年越しを控えた大晦日のドタバタ感と大晦日も働くホテルマン達の姿、そして大団円とも言うべき完璧なフィナーレと、これぞ三谷幸喜作品と呼べる絶妙な傑作コメディに仕上がっています。
個人的にも三谷幸喜作品の中では1、2を争うほどに好きな作品。ぜひ冬の時期、できれば大晦日に観てほしいおすすめの作品です。
シャイニング
キューブリックが撮ったホラー映画の古典的名作!
『シャイニング』は1980年に公開されたホラー映画です。監督はスタンリー・キューブリック、主演はジャック・ニコルソンが務めています。
巨匠スタンリー・キューブリックが挑んだホラー映画。
コロラド州の山の上にあるホテル、オーバールックホテルにジャック・トランスとその家族である妻のウェンディ、息子のダニーがやって来ます。
目的はこのホテルの住み込みの管理人の仕事を得ること。ジャックは支配人からオーバールックホテルの忌まわしい過去を聞かされます。それは以前の管理人が精神を病み、家族を惨殺して自殺したという内容でした。しかし、ジャックは気にも留めず家族とホテルに住むことを決めます。
しかし、超能力を持つダニーはホテルで起きる不可思議な現象を体験し、このホテルには「何か」がいることに気づきます。
また、ジャックは孤独な暮らしに徐々に精神を病み、ホテルの「何か」と親しく交わるようになります。そして、ジャックは狂気に飲み込まれ、ウェンディやダニーを殺害しようとします。
雪の降り積もる迷路のような庭でダニーを追いかけるジャックと逃げるダニーのシーンも有名ですね。
原作はスティーブン・キングの同名小説ですが、キューブリックは『シャイニング』をオカルト・ホラーではなく、より人間の怖さが強調されるように再構築しています(それによってスティーブン・キングから猛批判を受けることにも繋がるのですが)。
キューブリックらしい完璧主義と演出がその他のホラーとは一線を画す格調高さ、芸術性を生み出しています。
『シャイニング』をオマージュした映画や他作品は数知れず。まさにホラー映画の名作と呼べる作品です。
ぼくのエリ 200歳の少女
吸血鬼との恋を描いた、切ない北欧ホラー
『ぼくのエリ 200歳の少女』は2010年に公開された主演のホラー映画です。
いじめられっこのオスカーはある日一人の少女に出会います。彼女の名前はエリ。
エリもまた友人のいない孤独な少女でした。オスカーとエリは次第に距離を縮めていきます。
時を同じくして、オスカーの周りでは不審な殺人事件が相次ぎます。
そして、オスカーはエリの正体を知ることになります。
ホラー映画なのですが、凄く美しい映画で、凍えるような冬の寒さと降りしきる雪が印象的な作品です。
ホラーでもあり、ラブロマンスもあり、とにかく他にはない映画。心からおすすめの一本です。
惜しいのは日本ではある部分にボカシがかけられていて、それが物語の根本を分かりづらくしているんですね。
その意味がわかると、エリのセリフの意味、オスカーにとっての初恋とは何か。その意味がよりつかめるようになると思います。