女性が監督を務めたおすすめ映画

今回は女性が監督を努めたおすすめの映画を紹介します!

ハリウッドでは男性の映画監督に比べ、まだまだ女性監督の割合は少ないとは言われているのですが、昨今の流れから、女性監督の作品も少しずつ目立つようになってきたと思います。

今回はそんな映画の名から女性監督のおすすめ作品を紹介していきます!

ワンダーウーマン

パティ・ジェンキンスに11年ぶりにメガホンを握らせた、アメコミ映画の枠を超えた名作

『ワンダーウーマン』は2014年に公開されたパティ・ジェンキンス監督、ガル・ガドット主演のスーパーヒーロー映画。監督のパティ・ジェンキンスにとっては2003年に監督した『モンスター』以来の11年ぶりとなる監督作でした。

本作は女性が活躍するという昨今の映画のトレンドを持っていながらも、その陰で男性を貶めたりするような作品ではなく、まっとうに女性の力強さを描いている作品ではないでしょうか?

そもそも原作の『ワンダーウーマン』自体が女性の抑圧とその解放をテーマのひとつにしていました。

ゆれる

日本映画の最高峰。事件とともに浮き彫りになる兄弟の本当の姿

『ゆれる』は2006年に公開された西川美和監督、オダギリジョー、香川照之主演のドラマ映画です。

東京で華やかに暮らす弟の猛と、地元で家族とともにつつましく暮らす兄の稔。

実家に帰省した猛は兄と幼馴染みの智恵子ともに渓谷へ遊びに行くのですが、そこで智恵子が吊り橋の上から転落死してしまいます。吊り橋の上にいたのは兄の稔のみ。

兄の稔を守ろうと奔走する猛ですが、裁判が進行するにつれて、それまで見えていなかった兄の心情が明らかになっていきます。

「友人の殺人現場を目撃する自分」という悪夢から本作の着想を得たという西川美和監督。主演のオダギリジョーは今作の脚本を読んですぐに出演を決めたそうです。

本当に兄は人を殺したのか。自分は兄のことを本当に知っていたのか。

裁判が進むにつれて猛の心も揺れていきます。

とても丁寧かつ繊細に作られたドラマ映画です。邦画はつまらないと思っている人にこそ見てほしい作品。本当におすすめの一本です。

ユー・ガット・メール

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ワーナーホームビデオ

メグ・ライアンをラブコメの女王に押し上げたノーラ・エフロンの人気ラブコメ

『ユー・ガット・メール』は1998年に公開されたノーラ・エフロン監督、トム・ハンクス、メグ・ライアン主演のラブコメ映画です。

1940年の映画『桃色の店』を現代的にリメイク。当時流行り出していたEメールをテーマに顔も知らない二人の恋愛を描いています。

メグ・ライアン演じるキャスリーンが経営する街の本屋は、最近できた大型の本屋の勢いに押され経営が苦しくなっていました。

次に紹介する『めぐり逢えたら』もそうなのですが、最後の最後までカップルにならないという焦らし方!

女性監督らしい、丁寧かつコミカルなストーリーは多くの人を惹き付けました。

めぐり逢えたら

メグ・ライアンとノーラ・エフロン監督の初タッグ!名作ラブコメ映画

『めぐり逢えたら』は1993年に公開されたたノーラ・エフロン監督、トム・ハンクス、メグ・ライアン主演のラブコメ映画です。

ガンで妻を亡くしたシングルファーザーのサム。

ノーラ・エフロンは前述の『ユーガットメール』や脚本を勤めた『恋人たちの予感』でもメグ・ライアンを主演に起用し、彼女は「ラブコメの女王」と呼ばれるようになりますが、それに関してはノーラ・エフロンの力も大きかったでしょう。

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY

『スーサイド・スクワッド』のスピンオフは女性パワー溢れる痛快作!

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は2020年に公開されたキャシー・ヤン監督、マーゴット・ロビー主演のスーパーヒーロ―映画。

ジョーカーの恋人であるハーレイ・クインを主役にしたスピンオフとも言える作品ですね。

ハーレイ・クイン側のメインキャストを全て多様な人種から構成された女性が務め、逆に敵は男性になるなど、本来悪役であるハーレイ・クインを主役にしていながら、昨今の性別差別、マイノリティ、LGBT差別などにも配慮した優等生的な作品になっています。

マンマ・ミーア!

イギリスで大ヒットを記録した、人気のミュージカル映画

『マンマ・ミーア!』は2008年に公開されたフィリダ・ロイド監督、アマンダ・セイフライド、メリル・ストリープ主演のミュージカル映画です。

結婚を間近に控えたソフィーは母に内緒で父を結婚式に呼ぼうと考えます。

ですが、1度度も会ったこともなく、名前も知らない父親。

ヒントはソフィーの呼び掛けに応じて三人の父親が島を訪れます。

果たして誰が本当の父親なのか?

イギリスでは『タイタニック』を超えるほどの大ヒットを飛ばした今作。

監督のフィリダ・ロイドはもともと舞台版の『マンマ・ミーア!』の演出家であり、本作が映画監督デビュー作となりました。

全編を通して流れるABBAの楽曲も素晴らしく、ゴールデングローブのコメディ・ミュージカル部門へのノミネートや、英国アカデミー賞の英国映画作品賞にノミネートされました。

今作の公開から10年後の2018年には続編の『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』が公開されています。

リリィ、はちみつ色の秘密

ダコタ・ファニングの演技が冴える、地味だけれどハートフルな良作

『リリィ、はちみつ色の秘密』は年に公開されたジーナ・プリンス=バイスウッド監督、ダコタ・ファニング主演のドラマ映画です。原作はスー・モンク・キッドの小説『リリィ、はちみつ色の夏』。

とある事故で母親を殺してしまったの少女リリィ。彼女は罪の意識を抱えながら育ちます。父との不和から家を飛び出し、母が育った故郷を訪れます。

今作には60年代のアメリカの人種差別や南部の暮らしが描かれています。そんな中でも暖かくリリィを見守る故郷の人々の優しさに心が温かくなるハートフルな映画です。

グローリー/明日への行進

ありそうでなかったキング牧師を主役にした伝記映画

『グローリー/明日への行進』は2014年に公開されたエイヴァ・デュヴァーネイ監督 デヴィッド・オイェロウォ主演のドラマ映画。

公民権運動の中心的人物であるキング牧師と、彼が行った1965年のアラバマ州セルマからモンゴメリーへの行進をテーマにしています。

意外なことですが、キング牧師が主役となる映画はこれが初めて。聖人視されることの多いキング牧師ですが、今作では彼の浮気や、それを盾にFBI長官のフーヴァーから脅しをうける場面など、あくまで一人の人間としてのキング牧師を描いています。

キング牧師の演説はスティーブンスピルバーグが立ち上げたドリームワークスとワーナー・ブラザースが権利を取得しており、そのために監督のエイヴァ・デュヴァーネイは原語のニュアンスを残しつつ、オリジナルのものにするために脚本の大部分を改訂したと言います。

ホリデイ

家を交換したどん底の二人。そこで出逢う運命の恋を描く

『ホリデイ』は2006年に公開されたナンシー・マイヤーズ監督、 キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット主演のラブコメ映画です。

日本ではあまり馴染みはないのですが、休暇中にお互いの家を交換する、「ホーム・エクスチェンジ」をテーマにした作品です。

彼氏に逃げられた、映画予告製作会社の経営者であるアマンダと、同じく恋人に振られた新聞社に勤めるコラムニストのアイリス。

顔も知らぬ二人ですが、サイトを利用して互いに家を交換することに。そこには思いがけない出会いが待っていました。

クリスマスの時期にぴったりな心温まるラブストーリーの映画です。

SHE SAID/シーセッド その名を暴け

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NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

ハリウッドの支配者のスキャンダルを暴く!世界に影響を与えた実話を映画化した作品

『SHE SAID/その名を暴け』は2021年に公開された

ゾーイ・カザン主演のジャーナリズム映画です。

2017年に告発されたハーヴェイ・ワインスタインの性暴力を掲載したニューヨーク・タイムズ誌の二人の女性記者を主人公にしています。

ハーヴェイ・ワインスタインの告発と逮捕は#MeToo運動を巻き起こし、それと同じくして女性の権利獲得や平等などが注目されるきっかけにもなったように思います。

権力者が、その権力を盾にしてやりたい放題というのは日本のジャニーズ事務所の性加害問題と非常に似ています。

しかしながら、地道に一つずつ壁を崩し、報道に踏み切ったニューヨーク・タイムズとは違い、BBCによる報道、そして容疑者である人物の死去、そのような事情があって初めて報道の俎上に乗るというのはジャーナリズムとしてどうなのかとは思ってしまいます。

バービー

2023年を代表する、時代を映し出した佳作

『バービー』は2023年に公開されたグレタ・ガーウィグ監督、マーゴット・ロビー主演のラブコメ映画。

とはいってもラブコメ映画とは思えないほど、現代社会と通じた内容は極めて高い評価を得ています。

バービーという女児向けの玩具をテーマにした作品であることから、どうしても子供向けであったり、ティーン向けの映画という印象が拭い切れなかった点はあるかもしれませんが、やはり『レディ・バード』や『ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語』などで絶賛されているグレタ・ガーウィグがただの子供向けのラブコメ映画を作るわけがありません。

観ている人にもそれが伝わったのでしょう、全世界で大ヒットとなった本作。

惜しいのは日本ではあまりヒットしなかったんですよね。バーベンハイマーの影響や、そもそもバービーよりもリカちゃん人形の方が親しみ深いという日本独自の理由もそこにはあると感じています。

しかし、映画の内容は大ヒットも納得の本作。老若男女問わずおすすめの一本です。

>CINEMA OVERDRIVE

CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。