第二次世界大戦をテーマにしたおすすめ戦争映画

今回は戦争映画の中でも第二次世界大戦をテーマにしたおすすめ映画を紹介していきます。

プライベート・ライアン

「映画史に残る20分間」は必見!それまでの戦争映画を変えた傑作

『プライベート・ライアン』は1998年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の戦争映画。

兄弟全員が戦死したサリヴァン兄弟とナイランド兄弟の実話をもとにした作品です。元作文教師であるジョン・H・ミラー大尉の率いる第2レンジャー大隊C中隊は、兄弟が戦死する中唯一生き残ったライアンを救出し、本国へ帰還させる任務を負います。

第二次世界対戦でも激戦のひとつとして数えられる、ノルマンディー上陸作戦のオハマビーチを描いた冒頭の30分間は「映画史に残る20分」と呼ばれています。

音響や凄惨な戦場の描写など、それまでの戦争映画にないリアルさが話題となり、実際に第二次世界大戦に参戦した元兵士の中にはこのシーンを観てPTSDを発症した人もいたそうです。

個人的にも戦争映画の表現を塗り替えた、それほどまでに壮絶な20分間は映画ファンであれば観ておくべき、とまで言い切れます。

シンドラーのリスト

スピルバーグが描くホロコースト映画の代表作

『シンドラーのリスト』は1993年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の伝記映画。主演はリーアム・ニーソンが務めています。

1200人ものユダヤ人を虐殺から救った実在の実業家、オスカー・シンドラーをテーマにしています。

オスカー・シンドラーは当初は戦争を利用して、ユダヤ人を安い労働力として雇い入れることしか考えていませんでした。しかし、虐殺されゆくユダヤ人を目の当たりにし、シンドラーの心境に変化が訪れます。

あまりに生々しい虐殺の場面など、徹底したリアリズムは先に紹介した『プライベート・ライアン』とも共通する部分があり、スティーヴン・スピルバーグのこだわりを強く感じさせます。

自らもユダヤ系のアメリカ人であるスピルバーグは本作の制作に強いこだわりを持っており、『ジュラシック・パーク』の監督もやるということを条件を呑み、今作の監督を引き受けました。

なお、スピルバーグは「血に染まった金は受け取れない」として今作での監督料の受け取りを辞退しています。

今作によってオスカー・シンドラーの名は世界的に有名になりました。

同じく第二次世界大戦下のユダヤ人の救出に取り組んだ外交官、杉原千畝は「東洋のシンドラー」、ルワンダ虐殺の際に、自らが支配人を務めるホテルに1200人もの人を匿ったポール・ルセサバギナは「ルワンダのシンドラー」と呼ばれていることからも、シンドラーの功績がいかに有名かがわかると思います。

ヒトラー 〜最期の12日間〜

人間としてのアドルフ・ヒトラーに迫った衝撃作

『ヒトラー 〜最期の12日間〜』は2004年に公開されたドイツ映画。監督はオリヴァー・ヒルシュビーゲル、主演はブルーノ・ガンツが務めています。

ナチス関連が禁止されているドイツで、一人の人間としてのヒトラーに向き合った作品です。

原作はヒトラーの最後の秘書であったトラウドゥル・ユンゲの回想録『私はヒトラーの秘書だった』が原作になっています。

ライフ・イズ・ビューティフル

第二次世界大戦下の収容所で父が息子に教えたこととは?涙なくして観れない名作

『ライフ・イズ・ビューティフル』は1997年に公開されたドラマ映画。脚本・監督・主演をコメディアンでもあるロベルト・ベニーニが努めています。

前半は後半は父と息子の強制収容所での過酷な生活が描かれます。

タイトルの「ライフ・イズ・ビューティフル」とはロシアの革命家であるレフ・トロツキーが残した言葉です。彼がスターリンからの暗殺者に脅えながらも残した「人生は美しい」という言葉にロベルト・ベニーニが感銘を受け、この物語を着想したそうです。

ダンケルク

クリストファー・ノーランが手掛けた初の戦争映画

『ダンケルク』は2017年に公開されたクリストファー・ノーラン監督、 フィン・ホワイトヘッド主演の戦争映画。

クリストファー・ノーランが初めて取り組んだ戦争映画になります。

タイトルの『ダンケルク』とは、フランスのダンケルク海岸から取られています。ダンケルク海岸からの撤退作戦である「ダイナモ作戦」を描いた映画です。

基本的にこの撤退作戦は救援を待つ地味な作戦なのですが、そこは時間を巧みに操るノーランの手腕で退屈さを全く感じさせない仕上がりになっています。

イングロリアス・バスターズ

歴史さえも塗り替えるタランティーノの戦争映画

『イングロリアス・バスターズ』は2009年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督の戦争映画です。

第二次世界対戦の枠組みのみを借りたフィクションではあるのですが、独特の軽快さや、史実を大きく変えることも厭わない大胆さと面白さでタランティーノなりの独自の戦争映画となりました。

ナチス・ドイツ撲滅のための特殊部隊、バスターズは映画祭の日にヒトラーら高官を殺害する計画を立てていました。

また、幼い頃に家族をナチスの高官であるハンスに殺害された映画館主のショシュアもまた、同じ日にナチスを壊滅させる案を実現させようとしていました。

こうして二つの計画は同時に進められていくのですが、ハンスもまたバスターズを利用してある野心を叶えようとしていました。

今作でユダヤハンターの異名を持つナチスの高官ハンスを演じたクリストフ・ヴァルツがブレイク。世界的な人気を得ることとなりました。

今作は世界中でタランティーノのそれまでの監督作の中で最高の興行収入を記録した一方、日本ではそこまでのヒットには及びませんでした。

本作はある決定的な(確信犯的な)歴史の修正があるのですが、それが矢面に立ってドイツと戦った多くの連合国や、世界に散り散りになったユダヤ人たちにとって大きなカタルシスとなったのだろうと思います。

>CINEMA OVERDRIVE

CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。