概要
『バトルフィールド・アース』は2000年に公開されたロジャー・クリスチャン監督、ジョン・トラボルタ主演のSF映画。
あらすじ・ストーリー
感想・解説
SF映画と書いてしまったが、コメディ映画と書き直したほうがまだ正確なのではないかと思ってしまう。
カルト映画好きとしては『バトルフィールド・アース』は押さえておきたい映画の一つだ。
もちろん、バカ映画として。
原作はトム・クルーズも信仰している宗教『サイエントロジー』の創始者、L・ロン・ハバードのSF小説。それを同じくサイエントロジー信者ジョン・トラボルタが私財を投げ売って(投げ捨てて)映画化。
なにしろ、トラボルタにとっては「この作品の映画化は私の夢だった」と語るほどの強い思いの込められた作品のはずが、蓋を開けてみれば大コケ。
ラジー賞では
2001年:第21回ゴールデンラズベリー賞
最低作品賞:バトルフィールド・アース
最低監督賞:ロジャー・クリスチャン
最低主演男優賞:ジョン・トラボルタ(『ラッキー・ナンバー』に対しても)
最低助演男優賞:バリー・ペッパー
最低助演女優賞:ケリー・プレストン
最低スクリーンカップル賞:ジョン・トラボルタ&バトルフィールド・アースで彼と一緒にスクリーンに映ってしまった人全部
最低脚本賞:コリー・マンデル、J・D・シャピロ
2005年:第25回ゴールデンラズベリー賞
25周年最低ドラマ賞:バトルフィールド・アース
2010年:第30回ゴールデンラズベリー賞
2000年代最低賞:バトルフィールド・アース
という見事な実績を残している。
もちろん今作は決して笑わせようとして作った作品ではない。
まずはジョン・トラボルタ演じるのサイクロ星人の設定からしてまずおかしい。
地球人と同じように英語を話し、バーで酒をのみ、銃をもち、どこの学校に息子が入るか、出世はどうなるかが会話の話題。なんというか、キャラクターはただ奇抜な格好しただけのアメリカ人なのだ。
1000年後の世界
今作の舞台は西暦3000年。ざっと今から1000年後の世界だ。
しかし、図書館には本が普通に残っていたり(1000年も経つともはや紙の名残すらなくなるのでは?)戦闘機がそのまま使えたり(燃料や電気系統はどうなっているのか?)とても1000年も経った世界には見えないいい加減さ。
サイクロ星人はアホなのか?
極めつけは地球を9分で制圧したとされるサイクロ星人のアホさ加減。
今回の敵役のトラボルタだが、設定上は狡猾で非情、それでいて頭の切れる男のはずだが、とてもそうは見えない。
例えば地球人のなかでも特に反抗的な主人公のジョニーにあろうことか、サイクロ人の言語から文明まですべてを教えてしまう。
ほかにも採掘された金が延べ棒になっている(実際はよその金の貯蔵庫から延べ棒を運んでいただけ)ことを、『延べ棒に加工した方がサイクロ人にふさわしいと思って』というジョニーの良いわけをそのまま信じてしまったり。
挙げ句のはてに、ドームを脱出したジョニーたちが空腹に耐えかねて食べたネズミを「地球人はネズミが好物なのか!」と勘違い。
1000年以上もサイクロ星人は地球にいたのなら、なぜ地球人の好みくらい把握できていないのか?
その他、演出含めて理解に苦しむ場面も多々あり、それらをみんなでツッコミながら観るのが正しい『バトルフィールド・アース』の観賞法ではないだろうか。
ちなみに、地球を9分で制圧したとされるサイクロ星人ですが、サイクロ星人の母星、サイクロ星は地球人によって30秒くらいで爆発させられました。
サイクロ星人の科学力って?
評価・レビュー
2点
日本で言うところの『デビルマン』あたりといい勝負をしそうな本作。
カルト映画として観た場合にのみ、光り輝く作品だ。
作品情報・キャスト・スタッフ
2000年製作/117分/アメリカ
監督
ロジャー・クリスチャン
脚本
コリー・マンデル
J・D・シャピロ
出演
ジョン・トラボルタ
バリー・ペッパー
フォレスト・ウィテカー
キム・コーツ
サビーヌ・カーセンティ