概要
『ドゥームズデイ』は1953年に公開されたニール・マーシャル監督、ローラ・ミトラ主演のSFアクション映画。
あらすじ・ストーリー
2008年、スコットランドで未知の致死性のウイルスが流行する。イギリス政府は軍隊を派遣し、力ずくでスコットランドを封鎖する。その時にある母親がこの子だけでも助けてほしいと兵士に右目を負傷した赤ん坊を託す。
27年後、閉じ込められていた筈のウイルスがロンドンでも流行する。
その原因を突き止めるため、かつての赤ん坊で今は兵士となったエデンはカメラを仕込んだ義眼で封鎖されたスコットランドの内部を撮影する。
ウイルスによって絶滅したと思われていたスコットランドの人々だが、エデン等が潜入した先で見たのは、ウイルスの耐性を得て生き残った人々による、無法地帯と化したスコットランドだった。
感想・解説
これも以前に紹介した『プラネット・テラー in グラインドハウス』同様、カルト映画になりそうな映画を探していた時に見つけた作品だ。
カルト映画の定義は難しいが、「一般的な人気は得られないが、その強烈さゆえにコアで熱烈なファンを獲得する作品」とした場合、まさに本作はカルト映画の条件を軽々とクリアしている。
カルト映画の代名詞である『ロッキー・ホラー・ショー』同様に本作を一言で表すことはできない。
マッドマックス的な雰囲気と、ゾンビ映画の要素と、カリバニズムまで含んだ容赦無いスプラッター描写とコミカルさが一体となって他にはない作品となっている。
これを一体強烈と言わずに何と言えばいいのだろう?
『謝罪の王様』や『ザ・マジックアワー』の感想で私は映画の核は脚本だと述べているものの、カルト映画と呼ばれるものに限ってはその脚本を凌駕するキャラクターだったり、演出の強烈さがある。その歪なバランスこそ、熱狂的な支持者を生み出す源泉なのだろう。
評価・レビュー
75点
カルト映画としてのスコアをつけるならば96点でもいい。他に例を観ない作品だからだ。丁寧にしっかりクオリティも担保しながら、ここまで映画で遊んでいるのもカルト映画としての好感度は高い。
まぁその分一般ウケはなかなかしづらい作品であろうし、グロテスクな描写や人肉食などのシーンがどうしても苦手な人もいるだろうから、この点数にした。
こっち立てればあっちが立たず、ということか?
作品情報・キャスト・スタッフ
2009年製作/110分/アメリカ・イギリス
監督
ニール・マーシャル
脚本
ニール・マーシャル
主演
ローナ・ミトラ
ボブ・ホスキンス
エイドリアン・レスター
デヴィッド・オハラ
マルコム・マクダウェル