『ジョンQ -最後の決断- 』

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概要

『ジョンQ -最後の決断- 』は2002年に公開されたニック・カサヴェテスの監督作。主演はデンゼル・ワシントンが務めている。
アメリカの医療保険制度の問題に焦点を当てた問題作となっている。

あらすじ・ストーリー

黒人労働者のジョンはリストラに遭い、フルタイムからパートタイムに仕事を格下げされてしまう。空いた時間で副業を得ようと就職活動に励むジョンだったが、資格過剰を理由に落とされ続ける日々が続く。

ある日、息子のマイクが野球の試合中に倒れる。マイクは重度の心臓病に罹っており、助かるためには心臓移植しかなかった。

医療保険があるから大丈夫だと思っていたジョンだったが、パートタイム格下げされた時に保険の内容も変更させられており、高額な移植手術には適用されなくなっていた。

病院側は非情にも金が払えないのならと退院を勧告してくる。

我慢の限界に達したジョンは患者たちを人質にマイクの手術を求めて病院に立て籠もる。

感想・解説

2020年6月現在、新型コロナウイルスが猛威をふるっている。特にアメリカでは世界で最悪の被害が出ており、死者数は五万人を超える。このことの原因のひとつにアメリカには皆保険制度がないことを指摘する声もある。
『ジョンQ -最後の決断-』はアメリカの保険制度の問題をテーマにした秀作だ。

アメリカには公的な健康保険がなく、各々が任意で民間の保険会社と契約するようになっている。しかし、その内容は会社によってばらつきがあり、低所得者やパートタイムの労働者が入れる保険は条件面などでの制約が厳しいことも多い。
その反面、病気やケガは決して人を選ばない。主人公のジョンはパートタイマーに格下げされてしまう。それにともなって医療保険の適応範囲も自動的に下がってしまったのだが、そんな時に息子に心臓病が見つかる。

ジョンは

追い詰められたジョンは息子の手術を求め、患者たちを人質に病院に立て籠る。

脚本についてはややご都合主義的部分も目立つが、それを最大限カバーしているのがデンゼル・ワシントンの演技力と親が子供を想う愛情だ。

今作のエンドロールには「サーシャに捧ぐ」とのメッセージが出てくる。サーシャとは監督のニック・カサヴェテスの娘のことだ。サーシャは重い心臓病を患っており、これまでに4回もの手術を受けているという。
ニックはジョンの気持ちが痛いほど理解できた。

評価・レビュー

93点

先進国で唯一皆保険制度のない国アメリカ。良く言えば個人主義が徹底しているとも言えるが、病気や怪我は人を選んではくれない。

作品情報・キャスト・スタッフ

2002年製作/118分/アメリカ

監督
ニック・カサヴェテス

脚本
ジェームズ・カーンズ

主演
デンゼル・ワシントン
キンバリー・エリス

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ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。