『ジョン・ウィック』キアヌ・リーヴス復活作!エンターテインメントの最高峰

概要

『ジョン・ウィック』は2014年に公開されたチャド・スタエルスキ監督、キアヌ・リーブス主演のアクション映画。
元雇い主の息子に愛犬と車を奪われた元殺し屋の復讐劇を描く。

あらすじ・ストーリー

かつて凄腕の殺し屋として裏社会に名を馳せたジョン・ウィック。彼は恋人との結婚を機に殺し屋を引退し、裏社会から身を引く。
だが、幸せな生活も妻の死により一変する。絶望に沈むジョンのもとに一匹の犬が届けられる。それはジョンを案じた亡き妻が用意しておいてくれたプレゼントであった。

ジョンはその犬を希望に日々を過ごしていたが、ある日街で不良に乗っていた車を売るようにたかられるが、ジョンは断る。その後不良たちはジョンの家を襲撃し、車を盗んだ上にジョンを半殺し、愛犬を殺害した。ジョンを襲った犯人はかつての雇い主であるヴィゴの息子であるヨセフだった。

ジョンは復讐を誓い、再び裏社会に身を投じていく。

感想・解説

『マトリックス』シリーズに続いてキアヌ・リーヴスの代表作となった『ジョン・ウィック』シリーズ。

その第一作目が今作だ。監督は『マトリックス』でスタントを務めた チャド・スタエルスキ。

『マトリックス』では仮想現実の世界を表現するためにワイヤーアクション駆使した非人間的なカンフーシーンが話題になったが、『ジョン・ウィック』では全く逆のことを試みているのが面白い。
ジョン・ウィックはスーツの下に防弾チョッキを仕込み、ターゲットが必ず死ぬように頭部に止めを入れる。

しばしばアクション映画におけるツッコミとして「なぜ敵が撃つ主人公への弾は当たらないのか?」というものがある。
もちろん、エンターテイメントを重視しているアクション映画にそのような質問は野暮ではあるのだが、『ジョン・ウィック』はエンターテイメント映画なりにそこにある程度の理由を用意しているようにも思える。それが長年スタントを務めてきたチャドなりの誠実さではないだろうか。

一方で殺し屋ご用達のホテルの存在や、殺し屋に一斉に送信されるホットラインなど、非現実的な面もあり、復讐劇に緩急や縛りを効果的に与えている。

今作のヒットにより『ジョン・ウィック』は多くの続編が作られる人気シリーズになったわけだが、最もバランスよくまとまっているのは第一作目である今作だろう。

評価・レビュー

88点

今作のキアヌ・リーヴス演じるジョン・ウィックは「伝説の殺し屋」の名にふさわしく、何をやらせても無敵の男ではあるのだが、ウィレム・デフォー演じるとの友情や逆に旧知の仲間からの襲撃など、殺し屋稼業の予測不能な繋がりが物語をスリリングに仕立て上げている。

愛犬を殺されたジョン・ウィックの悲しみもそうだが、息子ヨセフの不始末に怒りながらも息子を守ろうとするヴィゴの子供への愛情もまた心を動かされる(終盤、観念し息子の居場所をジョンに伝えたあとのヴィゴの表情が何とも言えない。

アクション・エンターテイメント系の映画であればまずおすすめできる作品だ。

作品情報・キャスト・スタッフ

2014年製作/101分/アメリカ

監督
チャド・スタエルスキ

脚本
デレク・コルスタット

主演
キアヌ・リーブス
ミカエル・ニクヴィスト
アルフィー・アレン
エイドリアンヌ・パリッキ
ブリジット・モイナハン
ディーン・ウィンタース
イアン・マクシェーン
ジョン・レグイザモ
ウィレム・デフォー

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CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。