『謝罪の王様』ダントツ圧倒的なつまらなさ!だから邦画はダメになる

概要

『謝罪の王様』は1953年に公開された 水田伸生監督、阿部サダヲ主演のコメディ映画。

あらすじ・ストーリー

感想・解説

日本は世界的な視点で見ると謝罪の文化とも言えるだろう。

逆に欧米では「謝ったら負け」という文化らしい。謝ったら自分の非を認めたも同じことという認識なのだ。

このあたりはお国柄の違いというべきだろうか。

さて、そんな日本の謝罪文化にフォーカスしたのが、年に公開された『謝罪の王様』だ。

そのテーマの面白さに惹かれ観てみたのだが、邦画のダメな部分を濃縮したような作品だ。

ネタバレはあまりしたくないのだが、ラストへ向かえば向かうほど、作品の内容が壊滅的になってくる。

小さな子供は笑うかもしれないが、大の大人があんなギャグのような言葉で笑っていては今の日本社会が心配になってしまう。まぁ実際「このレベルでも観客は楽しんでくれるだろう」と思われているがゆえにあの脚本になったのだと思うが、それが正に邦画の劣化そのものではないか。

阿部サダヲには独特の愛嬌を感じる。愛想の良い小市民的な役柄はもちろんだが、無農薬にこだわるあまり狂気の一歩手前まで堕ちるリンゴ農家や死刑を待つ殺人犯役など、役柄の幅も広いのだが、そのいずれにもどこか人柄が滲み出ている気がするのだ。

しかし、それを持ってしてもこの映画の下らなさを覆す力はない。

役者の選び方も大事かもしれないが、映画の骨となるのは物語であり、脚本だ(それらが悪くても逆にカルト映画化する作品もあるので一概には言えないものの)。

今作はとにかく脚本が悪い。役者に罪はない。ただ、今作ではないものの、人気アイドルやイケメンだけで客が取れると思っているのも今の日本映画の大きな問題点だろう。

もっと中身にこだわってほしい。日本人にしか作り得ない作品は必ずある。それこそが日本映画の本当の価値になる。

評価・レビュー

5

駄作という言葉は本作のためにあるのではないか?テーマの面白さだけは素直に面白いと思うのでこの点数にした。

作品情報・キャスト・スタッフ

1953年製作/118分/日本

監督
水田伸生

脚本
宮藤官九郎

主演
阿部サダヲ
井上真央
竹野内豊
岡田将生
尾野真千子
荒川良々
濱田岳
松本利夫
川口春奈
鈴木伸之
小松和重
笠原秀幸
美波
真飛聖
柄本時生
野間口徹
六角精児
中野英雄
白井晃
濱田マリ
嶋田久作
池田鉄洋
中村靖日
松尾諭
深水三章
井上琳水
大川ヒロキ
岩松了
小野武彦
津嘉山正種
高橋克実
松雪泰子

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