『プロメテウス』はつまらない?人類の起源とは何だったのか?

概要

『プロメテウス』は2012年に公開されたリドリー・スコット監督、ノオミ・ラパス主演のSF映画。『エイリアン』シリーズの全ての始まりを描いた作品だ。

あらすじ・ストーリー

感想・解説

SF映画『エイリアン』の監督であるリドリー・スコットが事実上33年ぶりにシリーズに復帰したと言っていいだろう。

だが、今作と『エイリアン』との結びつきはほぼない。リドリー・スコットはこのときゼノモーフへの興味をほぼ失っていて、『エイリアン』の謎の一つである、異星人の化石の正体を追いかけていくようにしたようだ。

ちなみに今作のキャッチコピーは「人類の起源とは何か」だが、本編冒頭ですぐにその謎が解き明かされてしまう。

残りの時間はといえば、エンジニアの惑星に降り立った人類が、謎の生命体に襲われ、一人またひとりと命を落としていく様を描いている。

その根本となるのが、謎の生命体が潜み、エンジニアが口にしていた「黒い液体」だ。

劇中ではその正体は明かされないが、それによってあらゆる変異が乗組員たちに襲いかかる。

『エイリアン』を彷彿とさせる緊迫したサスペンスが続くが、観客を含めて誰も状況を正確には理解できないだろう。

一つ確かなことは、人類を創造したはずのエンジニアは、なぜか自らに会いに来た人類を殺そうとしていることだ。

もともとプロメテウスとは、神話に登場する、人類に火を授けたと言われる神だ。

しかし、人類は火を得て文明を築くかと思いきや、戦争を始めてしまった。

文明を授けても、与えた側がそれを間違った方向へ利用してしまう愚かな生物など不要ということだろうか。

評価・レビュー

84点

全体の雰囲気はリドリー・スコットの作り上げた『エイリアン』と同様だ。SFサスペンスであることも酷似している。ただ大きく違うのは、今作は全体に大きな謎があり、それは作品を通して解決されることがないということだ。

リドリー・スコットらしいといえばそうなのだが、果たして『プロメテウス』は観客の期待に応えられた作品と言えるのだろうか?

作品情報・キャスト・スタッフ

2012年製作/124分/アメリカ・イギリス

監督
リドリー・スコット

脚本
デイモン・リンデロフ
ジョン・スペイツ

出演
ノオミ・ラパス
マイケル・ファスベンダー
ガイ・ピアース
イドリス・エルバ
ローガン・マーシャル=グリーン
シャーリーズ・セロン

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CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。