概要
『恋におちたシェイクスピア』は1998年に公開された ジョン・マッデン監督、 グウィネス・パルトロー主演の恋愛映画。若き日のウィリアム・シェイクスピアの恋模様を描いている。
あらすじ・ストーリー
ペストの蔓延により、多くの劇場が閉鎖されていたロンドン。
若き日のウィリアム・シェイクスピアは、『ロミオとジュリエット』の準備を行いつつ、劇団員とともに芝居の練習を行っていた。
ある日、そこにトマス・ケントと名乗る美しい少年が現れる。
抜群の演技力でロミオの座を得るケントだったが、その正体は芝居好きの貴族の令嬢のヴァイオラだった。
シェイクスピアはかねてからヴァイオラに恋い焦がれていたが、自身には妻もおり、またヴァイオラも望まぬ結婚を控えていたため、二人の恋は叶うはずがなかった。
ある時、帰りの小舟に乗り合わせたシェイクスピアとケント。ケントはヴァイオラから預かったという手紙をシェイクスピアに見せる。
それを読んだシェイクスピアはケントにヴァイオラへの想いを語る。
ケントは思いが溢れ、シェイクスピアにキスをしてしまう。戸惑うシェイクスピアだったが、船の船頭からトマス・ケントの正体はヴァイオラ本人だと告げられる。
感想・解説
私が映画にハマり出したのは小学生の頃だ。
当時は木曜洋画劇場、金曜ロードショー、ゴールデン洋画劇場、日曜洋画劇場など、週の半分以上は映画を放送する番組があった。
もちろん、毎週TVにかじりついて多くの映画を観ていた。そこには素晴らしい作品との出会いがたくさんあった。
ここで紹介している映画の中でも『フォレスト・ガンプ』、『レオン』、『ザ・ロック』、『ロボコップ』『ターミネーター』などはそれらの番組がきっかけで好きになった作品だ。
もちろん、アカデミー賞も気にならないけがない。衛星放送で食い入るように観ていたが、その年のアカデミー賞の発表で最も多く名前を聞いたのがこの『恋におちたシェイクスピア』だ。
物語は史実も交えて描かれるが、実際に脚本も含めてよく練り込まれている。
『恋におちたシェイクスピア』はシェイクスピアと、ヴァイオラとの身分違い恋を描いた作品だ。
今でこそ俳優とは華やかなイメージだが、シェイクスピアの時代には一般的には卑しい仕事と認識されていた。
特に女性の演技は許されておらず、男性が女装して女役を演じる。言わば日本の歌舞伎のようなものだ。
そんな中、芝居好きな貴族の娘、ヴァイオラは男装してトマス・ケントと名乗り、シェイクスピアの劇団に潜り込む。
一方のシェイクスピアはケントがそのヴァイオラとは気づかないまま、彼女との身分違いの片思いに身を焦がしている。
ヴァイオラはヴァイオラで家を守るために望まぬ政略結婚に応じなければならない。
これらの事情にどう決着をつけていくのか。
ラストへの運び方はとても秀逸だ。
とにもかくにも本作のクヴィネス・パルトローは美しい。今作の公開年にはピープル誌の「世界で最も美しい人」の一人に選ばれている。
評価・レビュー
92点
少し甘めの点数かな?単純にラブコメと言ってしまうには惜しい作品だ。
今作の受賞歴は
- 第71回アカデミー賞:作品賞/脚本賞/主演女優賞/助演女優賞/音楽賞/美術賞/衣装デザイン賞
- 第56回ゴールデングローブ賞:作品賞(ミュージカル・コメディ部門)/脚本賞/主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)
- 第52回英国アカデミー賞:作品賞/助演女優賞/編集賞
- 第8回MTVムービー・アワード:キス・シーン賞
- 第4回クリティクス・チョイス・アワード:オリジナル脚本賞
- 第49回ベルリン国際映画祭:銀熊賞(個人業績賞)
- 第33回全米映画批評家協会賞:助演女優賞
- 第65回ニューヨーク映画批評家協会賞:脚本賞
- 第73回キネマ旬報ベスト・テン:委員選出外国語映画部門第1位/読者選出外国語映画第1位
- 第23回日本アカデミー賞:優秀外国映画賞
となっており、いかにこの映画が高い評価を得ているかがわかる。
作品情報・キャスト・スタッフ
1998年製作/137分/アメリカ
監督
ジョン・マッデン
脚本
トム・ストッパード
マーク・ノーマン
主演
グウィネス・パルトロー
ジョセフ・ファインズ
ジュディ・デンチ
ジェフリー・ラッシュ
コリン・ファース