『ショーン・オブ・ザ・デッド』日本では劇場未公開だった、ゾンビコメディの大傑作!

概要

『ショーン・オブ・ザ・デッド』は2004年に公開されたエドガー・ライト監督、サイモン・ペグ主演のコメディ映画。

あらすじ・ストーリー

感想・解説

この映画を知ったのは『しゃべくり007』でネプチューンの原田泰造がオススメの映画として本作を紹介していたからだ。

今でこそ、エドガー・ライトは監督として日本でもその名を(映画通には)知られているし、サイモン・ペグも『ミッション・インポッシブル』シリーズなどで名脇役として知名度を伸ばしているが、本作はエドガー・ライトの長編デビュー作。まだスタッフ・キャストの誰もネームバリューなんて持ってやしない頃だ。

そう考えると日本では劇場未公開に終わってしまったのも仕方ないのかもしれない(同じような理由で『ホテル・ルワンダ』も当初は劇女未公開だったと記憶している)。

だが、それでもこの映画が劇場未公開だったのは惜しいと思う。エドガー・ライトのセンスは既にこの作品から爆発しているからだ。

本作は登場人物の名前や店名、セリフなどをはじめとして、ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』や『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』へのオマージュと思しき場面が多々あるが、ゾンビが集まってくる場所がショッピングモールではなく、パブというところや、そこで流れるクイーンなど、英国出身のエドガー・ライトらしい演出も冴えている。

エドガー・ライトは音楽にも造詣が深いことで知られているが、ゾンビを撃退するためにLPを投げる場面では、ブルー・マンデーやストーンローゼスのLPは投げるというセリフには思わずクスリとさせられる。

評価・レビュー

92点

少し甘めの点数かな?映画監督の初期作にはエンターテインメント的な傑作が多い。

ジェームズ・キャメロンの『ターミネーター』もそうだし、スティーヴン・スピルバーグの『ジョーズ』もそうだ。

世間的なメッセージや、社会的な責任もあまりなく、単純に自分が好きなことだったり、影響を受けたものがそのまま映画として表現されているからだろう、エンターテインメントとしての純度が非常に高いと思う。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』も間違いなくその一つ。

低予算だが、それを跳ね返すほどの面白さに満ちている。

ジェームズ・キャメロンの『ターミネーター』もそうだった。知名度では『ターミネーター』には及ばないながらも、面白さでは決して負けていないはずだ。

作品情報・キャスト・スタッフ

2004年製作/99分/アメリカ

監督
エドガー・ライト

脚本
エドガー・ライト
サイモン・ペッグ

主演
サイモン・ペッグ
ニック・フロスト
ケイト・アシュフィールド

>CINEMA OVERDRIVE

CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。