概要
『沈黙のパレード』は2022年に公開された西谷弘監督、福山雅治主演のミステリー映画。ドラマ『ガリレオ』の映画化第3弾となる作品だ。
あらすじ・ストーリー
感想・解説
『ガリレオ』シリーズについてはドラマ版から観続けているが、映画となるといずれもシリアスなより大人向けのミステリードラマが展開される。
今回はある町で女子高生を殺した男が商店街のパレードの最中、何者かによって殺される。
その謎に湯川が挑んでいく。
今作では『容疑者Xの献身』以来年ぶりに柴咲コウが内海薫役で復帰している。
内海と湯川のやりとりもまた今作の魅力のひとつだが、あえて『ガリレオ』らしさを排したシリアスなドラマは健在だ。
ドラマと映画でここまで雰囲気のガラリと変わる作品も珍しい。お馴染みのテーマソングも、湯川があたり構わず数式を書き散らすといったいかにもドラマ的な演出が映画にはない。
演出面においてこの決断は一つの賭けではなかったかと想像するが、結果としては成功と言っていい。
ドラマの演出をスクリーンで観るのは軽薄な感じがするのはもちろん、ドラマの視聴者以外の一般層や映画ファンを取り込むのも難しかっただろう。
ちなみに今回はあの「変人ガリレオ」とさえ呼ばれていた湯川が地域社会に馴染んでいるなど、キャラクターの成長も随所に感じさせる作品になっている。
また、今回は司法の限界がテーマのひとつでもある。女子高生を殺した犯人と目されていた男は取り調べに対して完全黙秘を貫くことで無罪を勝ち得た。
状況は明らかにその男が犯人だと示している状態であっても果たして完全黙秘を貫けば実際に無罪になってしまうのだろうかという疑問はあるものの、日本の司法に歪な部分が残っているのは事実だ。
こうしたテレビドラマの映画化には否定的な意見も少なくないが、今作に限って言えば、やはりこういう司法の在り方に目を向けさせてくれるという意味では意義のある作品だと思う。
評価・レビュー
74点
ちょっとそもそもの話ですが、女子高生が殺されるという設定が個人的には少しキツイかなとは思ってこの点数にした。
原作の『沈黙のパレード』とともに観てもらえればさらに楽しめるはずだ。
ちなみに原作での『ガリレオ』シリーズにはまだ映画化に至っていない『透明な螺旋』という作品がある。同書では湯川の出生の秘密が明かされるのだが、こちらの映画化も個人的には心待ちにしているのだが。
作品情報・キャスト・スタッフ
2022年製作/130分/日本
監督
西谷弘
脚本
福田靖
主演
福山雅治
柴咲コウ
北村一輝
飯尾和樹
戸田菜穂
田口浩正
酒向芳
岡山天音
川床明日香
出口夏希
村上淳
吉田羊
檀れい
椎名桔平