『ターミネーター3』は本当に駄作なのか?時代に再評価される作品

概要

『ターミネーター3』は2003年に公開された『ターミネーター』シリーズの3作目。『ターミネーター2』から実に12年のブランクがあり公開された作品。
それまで監督を務めていたジェームズ・キャメロンに代わってジョナサン・モストウが監督を務めている。

あらすじ・ストーリー

『ターミネーター2』から10年後の世界。審判の日は来ずに、生きる目的を見失ったジョン・コナーは日雇いの労働などをして当てのない日々を送っていた。
そんな中、未来から2体のターミネーターが送られてくる。

一体は対ターミネーター用の最新型T-X、そしてジョンを守りために送られたT-850であった。ジョンはなぜ審判の日がなくなったのにターミネーターがやってくるのかいぶかしがるが、T-850によると「審判の日は先延ばしにされただけであり、回避は不可能」だという。
ジョンはケイト・ブリュースターも巻き込み、T-Xとの戦いと審判の日の阻止に向かって行動を起こす。

感想・解説

評価というものはその時代によって正反対と言えるほど変わってしまうものがある。
例えば『ブレードランナー』今でこそSF映画として高い評価を得ているが、公開当時は興行的に惨敗した。

さて、公開当時は酷評されたが、ここに来て評価が変わりそうな作品がある。
それが『ターミネーター3』だ。
『ターミネーター2』から12年ぶりの新作ということで大きな注目を集めた本作だが、評判は決して芳しいものではなかった。
ストーリーとしても『ターミネーター2』の焼き直しじみたものであったり、結局はスカイネットの暴走を食い止められなかったというエンディングが批判の的となった。

極めつけはジョン・コナーだ。
ジョン・コナーの年齢設定をを間違ってしまっていたり、前作でジョンを演じたエドワード・ファーロングとは顔の系統の違うニック・スタールをジョン・コナー役にしたことへの批判は大きかった。
特にエドワード・ファーロングの日本での人気は高く、日本限定でアルバムをリリースしたり、日本企業のCMに出演したりしたほどなのだ。
そのエドワード・ファーロング演じるジョン・コナーがニック・スタールに引き継がれる。欧米ではこの点に関しては日本ほどの批判は巻き起こらなかった。
もちろん『ターミネーター3』にも評価できるポイントがなかったわけではない。
最終的に審判の日の到来を描いたことで、未来の話と整合性を持たせたこと、スカイネットをインターネット時代に合わせて分散型システムと再定義したことなどは評価の声もあった。

そして今、今作はまたひとつの評価を得ようとしているのではないかと思う。
それは『ターミネーター ニューフェイト』の存在が大きい。

同作はジョン・コナーなき物語だ。当初はジェームズ・キャメロンやリンダ・ハミルトンなどのオリジナルキャストの復帰とともに、ジョン・コナーの再登場と彼を演じたエドワード・ファーロングの復帰も報道されていた。

エドワード・ファーロングの何科とお騒がせだった私生活と肥え太ってしまったルックスから一抹の不安を感じていたファンも少なくなかっただろう。

だが、エドワード・ファーロングは復帰と入ってもジョン・コナーの動きを演じただけで、ジョン・コナー自体はフルCGで再現されていた。そして何より、ジョン・コナーが冒頭のわずか数分で殺されてしまう展開は多くの『ターミネーター』シリーズのファンを失望させたに違いない。
『ターミネーター2』の正統な続編だと謳っているものの、そんなジョン・コナーの不在に不満を持つファンも多い。
そんな不満の受け皿として『ターミネーター3』は再評価されているのだ。
『ターミネーター2』の続編はどちらが正統かなんていうのは究極的には観客の自由だろう。

評価・レビュー

48

とは言え、やはり基本的な部分で粗は目立つ作品。ストーリーは未来の出来事との整合性を持たせるために必要だったのかもしれないが、作品からロマンを奪ってしまったように思う(リンダ・ハミルトンも同様の理由で今作への出演を辞退している)。

『ターミネーター2』がシリーズのハードルをめちゃくちゃに上げてしまったのは確かだが、それでももっとより良い続編は作れたはずだと思う。『ターミネーター』シリーズはもうすでにシリーズが出る事に悪い評価しかつかなくなっており、コンテンツとしては寿命を迎えてしまったかのように映るが、その終わりの始まりへの道を敷いたのはこの『ターミネーター3』だと思う。

作品情報・キャスト・スタッフ

2003年製作/109分/アメリカ

監督
ジョナサン・モストウ

脚本
ジョン・ブランカート
マイケル・フェリス

主演
アーノルド・シュワルツェネッガー
クリスタナ・ローケン
ニック・スタール

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CINEMA OVERDRIVE

ロックミュージックに欠かせないエフェクター、OVERDRIVE。
それはクリーンな音に歪みを与え、それまでの音楽に新しい可能性をもたらした。
CINEMA OVERDRIVEもまた「個人的な評価」という歪みによって、映画の捉え方・楽しみ方を広げていきたい。