『ザ・ウォーク』

ザ・ウォーク
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概要

『ザ・ウォーク』は2015年に公開されたロバート・ゼメキス監督、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット主演の伝記映画。

フランス出身の大道芸人、フィリップ・プティが1973年に行った世界貿易センタービルのツインタワーの間を命綱なしで綱渡りした事件を映画化している。

あらすじ・ストーリー

感想・解説

ロバート・ゼメキスの作品はハズレが少ない。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『フォレスト・ガンプ』、『キャスト・アウェイ』など、その時代ごとに確かな満足感を与えてくれる名作を夜に送り出し続けている。

そんなロバート・ゼメキスの2010年代の代表作と言えば今作だろう。

主人公は実在するフランスの大道芸人であるフィリップ・プティ。彼が年に行った世界貿易センタービルのツインタワーの間を無許可でかつ命綱さえつけずに綱渡りするという挑戦を描いたものだ。

今作は映画館で鑑賞したのだが、作品のテンポも良く、とんでもなく面白かった。特にクライマックスのツインタワーの間を綱渡りするシーンは作り物だとわかっていてもその迫力と美しさには度肝を抜かれた。

もちろん、ツインタワーを命綱無しで綱渡りするなんて許可されるわけがない。

明らかな違法行為なのは当然なのだが、ツインタワーの建設作業員に混じって堂々と綱渡りに必要な道具の搬入や、タワー間の距離など、決行に必要なものを揃えていくのが面白い。まるで『ミッション・インポッシブル』などのスパイ映画の様でもある。

だが、この映画の主人公はプティではなく、ツインタワーなのではないかとも思う。

世界同時多発テロによって、跡形なく消えてしまったこのタワーだが、『ザ・ウォーク』はこの作品はツインタワーがニューヨーク、いやアメリカの象徴だった時代へのラブレターではないか。

ロバート・ゼメキスは『フォレスト・ガンプ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で過去へのノスタルジーを描いてきた。いずれも古き良き時代のアメリカへの郷愁だ。

同時多発テロ以降、アメリカはアフガニスタンやイラクとの戦争を開始し、テロとの戦いはいまだに続いている。圧倒的な強者であるアメリカの綻びが見えてきたのもやはりここ20年くらいではなかったか。

そうではなかった時代、アメリカが強者でいられた時代をツインタワーは象徴しているのではないだろうか。

そんなタワーを唯一制覇したフィリップ・プティへの賛美に溢れた作品だ。

評価・レビュー

96

作品情報・キャスト・スタッフ

2015年製作/123分/アメリカ

監督
ロバート・ゼメキス

脚本
ロバート・ゼメキス
クリストファー・ブラウン

主演
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
ベン・キングズレー
シャルロット・ルボン
ジェームズ・バッジ・デール

ザ・ウォーク
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